眼鏡

「やめてよね。インキャ眼鏡くん。

私のことちょい変な妄想でもするような目で今見てたでしょ。あーもうこれだから男子って嫌いよ」


「え」


「え、じゃなくて。

しらばっくれないでよ。鼻の下伸ばして見てたでしょ?」


「あ、いやー、その。。」


「くじ運悪いなぁ。私ったら。

もっとクールで真面目で男前な男子の隣だったら、毎日楽しく登校できるかしら?」


「さっき、私のことジロジロ変な目で見てきたんだから今、お返しするわね?」


「いや、た、ただ、綺麗な髪の毛だなぁって、

思っただけで、、」


俺は顔を赤くした。視線をポニテの

先っちょのくるんと巻かれた髪の毛の先に慌てて合わせてみせる。

鏡があったわけではないが、自分の頬がだんたん上気していくのを感じたからだ。


奥原の、その切れ長の色素の薄い茶系の目に見つめられたなら、モジモジ(紅くならない男はいないだろう。)

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