元狙撃手の高校生、Vtuber事務所の裏方役になったそうです!?
長月零斗
始まりの過去
プロローグ1〜彼が持つ過去の一部〜
ある日、人生が壊れた。
とても早い、まだ記憶がない時だ。
家族のことももう忘れた。兄弟がいるかどうかもわからない。
だが、それでも、
願わくば俺を産んでくれた純粋な家族には、裕福に楽しんで暮らしてほしい。
産んでくれた人に"親"に言いたかった。
殺人マシーンになっちゃったけど
"僕を産んでくれてありがとう"
「いいように使われてんな、俺」
新聞を除き、俺は自嘲するように笑った。
俺を誘拐して殺人鬼にしといて、それが公になったら今度は自分勝手に全員解雇か......
そんなことを思いながら、俺はコーヒーを一口飲んだ。
ここは日本政府"ECP"専用寮だが、ここはもう既に退去勧告が出ていた。
「Eyzis children project」
このプロジェクトは日本政府の裏の思惑が重なってできた、一つの国防プロジェクトである。
家庭から才能のある赤ちゃんをぶんどり、軍隊教育を施す、ザ、非人道的なプロジェクトは今まで表目に出る事はなかったが、子供をぶん取られた被害者家族がそのことを徹底的に調べ上げ、我が子を取り返そうと今、政府に裁きの鉄槌を下さんとしている。
同じくそのプロジェクトで育った俺達およそ数百人が、路頭に迷うことも知らずに。
散々人殺しの技術を叩き込んでおいて今更それが役に立たない世界に追放とは虫がいい話にも程がある。
さて、退去したらホームレスだ、俺も"あいつら"の元へ行こう。
そう決意した俺はFN-57とM92Fの相棒2丁を持って今まで監獄のように暮らしてきたその場所から退去した。
たった20万の生活補助を片手に、俺は初めて外のご飯を味わった。
普通に道に並んでるラーメン屋
"ラーメン西山"
泣くほど、美味しかった。
"あいつら"にも、この味を食わしてやりたかった。
もはや俺には何も残されていない。
全てを失った俺にはもう何もない。
生きる理由(わけ)も生まれた意味も
このすっからかんになってしまった頭じゃ分からない。
最後に、最後にあいつら一人一人のタグが付いているネックレスを掛けて、自分の名前を見た。
そこには
「刹那・トリニティ 」
コードネームが打ち込まれている。
隊員一人一人のタグをみて、コードネームを確認していく、
「メメント・モリ」
俺はそう呟いてFN-57に一発の弾丸を込めた。それをそっとこめかみに添える。
さようなら、この腐った世界
さようなら、俺達の生まれ祖国
さようなら、顔も名も知らない俺の家族
願わくば、次の人生の俺に、幸おおからんことを
俺がひとりでに目を閉じて、安全装置を外し、引き金に指をかけたその時。
「待ってくれないか!?」
後ろからそんな声が聞こえた。
俺は後ろを向いた。
「誰ですか?」
「君、刹那・トリニティ だね、資料で見たよ」
「ええ、確かにそうです、私のコードネームは刹那・トリニティ。この国に尽くしたのに裏切られた、愚かで哀れな兵隊の一人」
「違う、君は!刹那・トリニティ なんかじゃない!君は、君の本当の名前は!」
「長月蒼ーーーーーーーーーーー」
「それが君の持つべき、本当の名前だよ」
何故だろう、その時、涙がこぼれ落ちた。
そっと、そっと手を伸ばす。
「あなたは......あなたはもしかして......俺の......"家族"なのか?」
「あぁ、あぁ!そうだよ!迎えにきたんだ。蒼、おかえり、そして初めまして、僕の名前は」
「長月翔ーーーーーーーーーーー」
「それが蒼、お前の兄ちゃんの名前だ」
俺はその時、ようやく解放されたんだ。
もう人殺しをしなくていい、もう銃を捨てていいんだ。
そしてようやく、悲願だった家族に会えた。
あいつらにもこの景色、見せてあげたかったなぁ......
全てが終わった日
自分の中の"刹那・トリニティ"が死んだ日
新たな始まりが生まれた。
"長月蒼"
家族に連れられ、その名を、愛を知った蒼は自分の行くべき、いや、帰るべき場所へと足を運んだ。
愛する家族の待つ家へと
後書き
みなさんこんばんわReitoです!ついに始まりました新シリーズ!では早速、このシリーズの説明と、主人公の補足をしていきます!まずはこのシリーズの説明。このシリーズ「Vtuber裏方シリーズ」は主に主人公とヒロインの成長を出しながらVtuberとしての日常や事件に巻き込まれる物語。
そして、我らが主人公長月蒼の説明を彼の置かれている状況は"ECP"元々は、日本を守る特殊部隊の卵を子供から育てて、優秀な特殊部隊を作ろうと言う思惑の政府が子供を誘拐し施設に攫う形で無理矢理教育を施すと言う非人道的なことをやらかしまして、我が子を意地でも取り返そうとする親によってその秘密が暴かれ、世に出てしまい、ECPは解散、しかし、同時に数百人近い子供達も行く当てを失ってしまいます。握らされたのは最低限の生活補助20万のみ。人生に絶望した主人公は自ら命を絶とうとしますが、初めて主人公の家族に会い、愛を知り、そして全てが始まります。
次回予告
part1〜回り始める歯車〜乞うご期待!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます