第5.5話 番外?プライドの戦い...
これは僕が怜斗君とショッピングしていた時のこと、
「怜斗君...僕ここはちょっと...流石に...」
「大丈夫ですよ、僕達可愛いんですし...多分普通に女のコだと思われますって」
「だからってぇ〜」
だからって...
「レディース専門店なんて無理〜!」
「文句言わないで行きますよ!男は度胸です!」
「レディース専門店行く時のセリフじゃないでしょそれ!」
「男がレディース専門店に行く!これほど男らしい行為もありません!」
「やめてそう言われると余計行きずらい!」
「元々行く気もないんですから変わりません!」
「お助けぇー!!」
結局僕は無理矢理レディース専門店へ連行され、僕の必死の叫びは虚しくこだまするだけだった...
〜***〜
「いらっしゃいませー本日はどんな服をお求めでしょうか〜」
僕達は入店した途端店員さんに捕まる。
やっぱ無理があったんじゃこれ...やばいストレスでもよおして来たかも
「あっすいません、ちょっと今自分達で色々探したくて」
「そうでしたか、またなにか聞きたいこととかあれば気軽にお聞きください」
あれ?
「あれ?バレてない?」
「ほらね?私達可愛いから大丈夫だって言ったでしょ」
「確かに...僕達来てもみんな自然にしてる...」
「だって私達可愛いですから!」
「よく言い切れるよ」
「そ〜れ〜よ〜り〜さあお着替えを始めようか!」
「へ?」
それが、地獄へのトリガーだった
「ねぇ...これぇ...足元スースーするんだけど...恥ずかしい...」
「いいねぇ!やっぱロリポップな可愛い系が似合いますなしなさんには!」
「似合わないってぇ!」
「いやめっちゃ似合ってますから!服の方から来てくださいと懇願しているような似合いっぷりですよ!」
「そんなに褒められると...悪い気は...って!ダメだダメだ!ここで流されちゃ!」
僕にはちゃんとしたプライドがある!男としてのな!
「着替える!」
「あ!」
僕は急いで元の服を着替える...しかしそこで最悪の事態が起きる...
「うう...やべぇおしっこが限界に...」
着替え終わった僕は急いで店員さんの元へ向かいトイレの場所を聞き出す!
「すいません!トイレってどこですか!?」
「ああトイレはそこの突き当たりを曲がったところですよ」
「ありがとうございます!」
僕は急いで店員さんに言われた通りに突き当たりを曲がりトイレにたどり着く...しかし...
「ここ...女子トイレじゃん...」
一瞬で絶望した気持ちになる...終わった...何もかも...
「いや待てよ...」
僕に嫌な考えがよぎる...
「僕なら女子トイレに行ってもバレないんじゃないか?」
いやいやいやいやいやいやいやダメだろ!人として!いくらバレなくても!
「でも漏れるぐらいなら...」
それでもダメだ!男の尊厳か人としての尊厳かを選ぶなら!僕は男の尊厳を選びたい!
「あれ?なしなさんトイレまだ行ってないんですか?」
「いやいいんだ僕は...男を捨てるくらいなら人間を捨てる」
「いや馬鹿なこと言ってないではなくトイレいって下さいよ」
「お前は僕に女子トイレに入れというのか!?」
「え?何言ってんすか」
「だってここレディース専門店だから女子トイレしかないじゃん!」
「あの...ここデパートなんだから近場にいくらでもあるでしょ」
「あ」
背景、お母さんお父さん5人の姉妹そして、幼なじみの葵へ...僕は大馬鹿者でした。
迫り来る尿意に心を折られ、ここがデパートということを完全に忘れていました...こんなアホな僕でも...これからも一緒にいて下さい。
ちなみにトイレはギリギリ間に合いました...
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