第39話、天才と天才の心理戦!

 ダークヒーロー会議、

[今回の議題は、これからの我々の活動方針を今一度明確にしておくわ、]


目を見張るほど美しい金髪の美女が語る、アジンの声は皆の心を引き締める、少し強めでそれでいて美しい、彼女の立ち居振る舞いにはまさに組織の事実的トップの風格を見せる、それほどメンバーからアジンへの信頼は高い、


[はい、まず初めに近日中に会談することになっている、ライト様の祖国、ブランド王国の件から皆の意見を聞きたいと思っています、]


ダークヒーロー第五幹部ピャーチ、彼女は表の顔は小説家、裏の顔はダークヒーローの内政担当だ、


[私から意見いいですか?]


ダークヒーロー第4幹部チィトゥィリ、彼女の仕事は主に諜報担当だ、各国の情報を集め精査する仕事をしている、


[いいわよ、あなたの諜報員としての意見を聞かせてくれる、]


アジンの鋭い視線がチィトゥィリに向けられる、ただの1(イチ)メンバーならおびえてしまうほどの冷たく鋭い視線、しかしチィトゥィリも負けずアジンを見つめながら話し出す、


[人間どもは我々ダークヒーローを、いえ失礼しました、厳密にはライト様と良好な関係を築けるように沢山の画策をしています、]


画策?どんなだろう?僕たちに利益があること、又は魔王とぶつけることとか?わからないな、


[チィトゥィリよ、貴様が調べた各国の我々に対する画策を最重要なことをこの場で全員が理解できるように話すが良い、]


ライトが透き通るような暗く繊細な声で言う、ダークヒーローのメンバーがアジンより尊敬している、ダークヒーローの正式トップ、その彼の声はアジンとは違ったトップとしての風格を見せるような美しい声、


[!]


さすがライト様!今の言葉単純に捉えたらただの確認に過ぎないでもライト様が言われたこと、全員が理解できるように話せ!これはメンバー全員に理解させ皆の意見をしっかり持たせて今後の方針につなげられるようにしろ、そういう意味が込められている、


まさにこのメンバー全員の意見をしっかり聞こうとする姿勢、行動、発言、まさに組織のトップの姿、


この場にいる者全てにライトがそう映った、


ライトには特に深い意図はない、自分が理解できるか心配だからそう言っただけだが、みんなには別に映ったようだ、


[はい了解致しましたマスター、]


おまけに最重要なこととおっしゃった、今の時点ではどれも重要、しかしマスターがそうおっしゃるなら1番、マスターにとって重要なことがあるはず、早く導き出さないと、私はアジン様には負けたくない!


チィトゥィリとアジンは犬猿の間柄、仲は悪くない至って普通の完璧な幹部の2人しかし彼女たち2人を決定的に分けてる点それが、ダークヒーロー第1最高幹部の座である、本来実力も知能も才能もほぼ全てに置いて互角の実績を持っている2人それがチィトゥィリにとって悔しかった、


確かに1番最初にライトに出会い救われたのはアジン様だ、でもそれで優劣が決まるわけじゃない、私がアジン様に勝てるところが一つでも増えれば、総合的に私が上になる、


[私が考えるに、今現在最重要なことは帝国の動きかと思います、帝国は今まで我々を認めず敵対はせずともダンマリを決め込んでいました、しかし帝国が我々との会談を申請してきました、これは一番重要なことだと私は考えます、]


[フ〜〜〜]


ライトが少し長い息を吐く、目を瞑りながらそのままの姿勢でうっすらと何かを考えている表情を浮かべる


私もチィトゥィリのいった通り帝国の件が一番重要だと思っていた、おそらく私とチィトゥィリ以外も、まさか、間違いだというのだとしたら、、、、、、


[ライト私からも重要な件についていいかしら?]


アジンもチィトゥィリにライバル視している、当然だ彼女にとってダークヒーロー第1最高幹部の地位は自分をトップとする屋台ぶねなのだ、そんな彼女がもしライトに総合的に互角なチィトゥィリに劣るのなら、最高幹部の地位を脅かすことになる、アジンは絶対にチィトゥィリには負けられないのだ、


今この現状下で帝国の次、いや帝国よりも最重要な件、、、ク!


[ピース王国の件かしら?]


アジンが少し怯えたような声でいう、これは2人の心理戦であり2人に緊張を与える、


[うん、]


ライトが目を開き、頷く、2人の額には小粒の見えないくらいの汗が流れる、


[そうだ、アジンよ続けよ、すまない帝国についてはアジンの話の次に頼む、]


これもライトには特に何も深い意図はない、ただレオンがピース王国と関係を気づくと言ったから気になっていただけだ、


しかし事実上チィトゥィリは敗北感を感じた、実際には後出ししたアジンが有利だし実際帝国の件も重要だった、だが2人にとっては関係なかった、いかにライトに認められるかそれが一番大事なのだ、


[フー、そうね、ピース王国宛に魔界が会談を申請していることかしらね、やっぱり魔王が初めて堂々と人間界にくるかもしれないわ、何かあると考えるのは自然、]


[そうだな、何かあるとしたら、予想されることはなんだと思う?]


ライトが何気ない詳細を聞くだけで、アジンを焦らせる、アジンにとって今さっき思いついたことだからだ、


落ち着くのよアジン、冷静に冷静に、


[予想されることとして、魔界と正式に条約を結ぶ国の二つ目になる、これにより各国がピース王国を無視できなくなり災厄につながるおそれがあるわ、]


アジンはフーと肩の荷を下ろしたように息を吐いた、


[アジン様いいですか?]


チィトゥィリがまた意見をする、


[確かに今アジン様が言ったことはもっともですですが私は条約を結べるかが疑問です、ピース王国からしたらすごく危険な道です、今のダイヤモンド王国を見るとわかります、また魔王レオンハート デーモンが会談するとは限らないです、レオンハート以外の魔族に人間に対して紳士的にできるとは思えません、]


2人の心理戦が続く!


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