第3話 運行神について

 運行神は、すでにあるものや系を運行する神である。すでにあるものをより保とうとする働きがある。運行神は人間には最初から強く働いている。その身体を保とうとする働き、会社が倒産しないようにしようとする働き、人間関係や組織、コミュニティを保とうとする働き。これらの存在は、地母神、そして創造神を経由して生じてきたが、一旦生じたあとは運行神の手に委ねられる。

 運行神はその系を保つため、無駄なものを排出する作用を持っている。無駄な行い、無駄な物質を排出しようとする。私達も日々、なにか例えば、掃除や運動をしようとした時、面倒だなぁと思ってこれを行わないようにするのも運行神の働きである。しかし、運行神は成長させる神ではなく、自分やその系をそのままに留めようとする働きを持っている。運行神は私達凡人には根強く結びついているが、それは成長をもたらさない。

 人がわざわざそうしなくても、本当に意味のないものや意味のない行いは運行神のため存在することができない。全く意味のない行いは、人がそれを行おうとする前に運行神がそれを取り上げ、着手することができない。着手できている間はなんらかの意味があり、意味がなくなると運行神はそれを取り上げる。

 運行神への信仰は、意味がないものは彼の神が取り除くことを信仰することであり、そのため、自らあるものを意味があるとかないとか判断しないことである。そのことにより、尊き人の行いが生み出され、地母神へ奉納され、創造神がそれのよりよき形にまとめあげる。

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