第4話 命の大切さ

妊娠がわかり、出産に向けて色々準備を行なった。

まず何より大変だったのが巷に言う「できちゃった婚」でした。


子供は欲しいと思っていたので、嬉しい反面何もない無計画な出産でした。


まず正規の社員でもなく、消防士を目指しながらゴミ収集のバイトを行い生活していた。

彼女は看護学校を卒業し、看護師として就職していました。


採用氷河期とも言われる時代において、自分の就職は困難を極めました。


ただ自分の目指したものより、目の前の命と彼女を守らないといけない思った。


ただ、勢い任せての部分もあった為、嫁には負担をかけギリギリまで仕事させてしまい、安全とは言い難い状況でした。


ただそんな日々が過ぎていき、夏の終わりに仕事中電話がかかり産婦人科に運ばれたということで電話を受けた。


仕事を途中で抜けさせてもらい、すぐに産婦人科に車で向かった。


そこには陣痛で大変な妻の姿があった。

寄り添い何もできないけど、手を握り無事を祈った。


しかし、世の中上手くいくことばかりではなく、出産は困難を極めた。

普通分娩では難しく妻も丸1日頑張ってくれたが、生まれてくることはなく、早朝に帝王切開で出産する事になった。


この時代というか通ってた産婦人科は帝王切開でも立ち合いを許してくれて、子供を取り出す所を見れた。

胎盤は非常に大きく、びっくりしたのが印象的だった。


帝王切開で取り上げられた子供を見た瞬間嬉しかったなぁ〜。

ただ咄嗟に足と手の指の本数を数えてしまっていたのはご愛嬌。

顔は、こんな事言ったら怒られるのかもしれないけど、スターウォーズのヨーダのような印象だった。

何故かというと顔がすごい皺くちゃだったので、可愛いとは思えなかった。

それでも生まれて来てくれて、鳴き声を聞いた瞬間の感動は現在まででもない。


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