第79話記録作成 その五
【
北に
現王朝である
前王朝の最後の皇帝は愚王とある。
華美を好み享楽にふけり、政を疎かにした。廃止されていた残酷非道な刑罰を復活させ、謀反を企てた者を九族に至るまで族滅させたとされる。
その悪政を正すために立ち上がり、前王朝を滅ぼしたのが
前王朝の都は
天に選ばれた「帝」を誅したせいだと言う噂が大陸を駆け巡り、そのせいか
最終的には
七家はいざとなれば独立できる地位と権力を有している。
それは、いかに皇帝と言えども無視できないものであった。と、言うのも八州公が帝都に赴くのは代替わりの時くらいであり、それ以外は全くと言ってよりほど不干渉を貫いていたからである。皇帝の子供が誕生してもそれが皇后腹でなけれ決して祝い品を贈る事がないほどの無関心ぶりであった――。
その八州公の二つ、北の
通常ならば、いくら八州公とはいえどもそこまで民衆に噂される事はない。朝廷に代替わりの報告をし、各州公を招いて宴を催すくらいであった。
ただの当主交代なら特に問題にはならなかっただろう。
この度、新しく
双子は凶兆の証。
本来なら、双子のうち一人を始末してしまうもの。
それを生かし、当主に据えるなど前代未聞であった。
そして、
これもまた世間の度肝を抜かした。
新しい当主は四十歳の女性。
そう、女当主の誕生である――
この異常な当主交代に皇帝は朝儀にて説明を求めたのであった】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます