第78話 記録作成 その四
【巽淑妃に第一子誕生。皇帝、
……まったく気付かなかった。
箝口令が敷かれていたとはいえ教えておいて欲しかったわ。
『火事が起こった段階で狙われていると察するべきだ』
文句を言った私に対して青は呆れていた。
『淑妃の懐妊で浮かれて頭がハイになっていたんだろう』
ぐうの音も出ないくらい正論だった。
『ま、淑妃の方もお前にバレないように何かと配慮していたんだろう』
どうやら姉上は全てお見通しだったようです……。
お腹の子と共に命の危機だったにも拘らず普段通りの日常を送っていた姉上。私はなんというマヌケだろうか。自分の間抜けさに頭を抱えてしまうわ。姉上は笑いながら「それが杏樹の良い処よ」と言ってくれたけど。
これからは気を引き締めないと!
姉上と甥っ子は私が護ってみせる!
【第十五皇子の誕生に際して、八州公の全てから祝い品が贈られそれは人々を更に驚かせた。これにより、第十五皇子が皇太子の地位に最も近くなったという噂を確証させる事態となったのである――】
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