INGENのコロナ闘病記
INGEN
第1話 INGEN死す-発症初日-
皆さんこんにちは、INGENです!
皆さん元気ですか?
僕は今死にそうになってます。
2023年1月9日。23時50分。
症状:頭痛、吐き気、倦怠感、毛布を三枚重ねても和らがない寒気。
体温:38.8℃。
緊急事態発生。緊急事態発生。
頭の中でびーこんびーこん警報音が鳴り響き、「あかん死ぬ」とうわごとのように呟きながらベッドでごろんごろん悶えのたうち回っているうちに、だんだん意識が遠のくのを感じながら、僕は静かに考えました。
あっれれぇ↑、おかしいぞぉ。
どうしてこんな事になったんだっけ?
さかのぼる事、数時間前。
身バレしない程度にお話しすると、INGENの稼業はイベント運営兼営業職。この日も街中の駅ちかでイベントを行っていたんですが、まあ新年だけあって来るわ来るわ、人の列が夕方まで引きも切らない。去年の今頃はまだコロナの警戒感やらでこんなに人が来ることもなかったのですが、「これが人流緩和された初のお正月の威力かー」とか同僚と話しながら仕事をしていたわけです。
しかも、この日(1月9)は成人の日。
祝日で多くの人が街に繰り出していたのですが、この数年で最も街中は混雑していた気がします。振袖を着た新成人の女の子。「うぇーい」的な感じでパリピってる男の子、あとは老いも若きもぞろぞろと街中を往来している光景を見て「数年ぶりに見る日常だなー」と、のほほんとしてました。間もなくそんなゆとりはなくなるとも知らずに。
異変が起きたのは夕方ごろ。
ぞくぞくとお尻から背中へ、そして両肩に広がる悪寒。そして不安感に似た何か。そわそわ感、といった方が適切か。
これに近い感覚をこれまでの人生で味わったことがあります。風邪、インフルエンザのかかり始めです。幸い、最終日でイベントの撤収作業もあり、日没前にはイベントの全日程が全て終了。こじんまりした会場だったので午後6時前には全て終わって会場を後にしました。
この時点での体温は平熱。36℃も行ってないくらいだったかな。
念のために駅前のPCR検査場(保健所提携ではなく、地元病院が提携しているので何かあればすぐに医療措置が受けられる、はず。)で唾液採取形式の検査を受けて帰宅。この「念のため」が翌日のINGENを大いに助けることになるのでした。
この日は帰宅するなりシャワーを浴びて、汗と移動中にくっついてきたであろう病原菌やウイルスを洗い流して早寝しようと決意。
そうして風呂上り、脱衣所に足を踏み出した瞬間。
ぞくっ。
「うおおおっ」
猛烈な悪寒。寒気。
体温計を取り出して測ってみる。
38.8℃。
そうして時刻は今、23時50分。
「これはちょっとアカンのやなかろうか……」
INGEN人生初のコロナ陽性発覚まで、あと8時間。
つづく。
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