マルヴァ:血税局血液取締部起動二課吸血機関自動人形【ヴァンプロイド】部隊
深夜太陽男【シンヤラーメン】
プロローグ
【null】血を流せ、ユートピア
【nu11】
この世界はもうすぐ完成されて、永遠というカタチで終わりを迎える。
【address:CB:0N=S:0E=W:000P:L±????】
わたしの眼下には【吸血女王】。人類史最後のクーデターを起こす前に、これまでを追想するのだ。血に刻むように。
【1ook 6ack】
初めての殺人。
初めての家出。
初めての放浪生活。
初めての仕事。家族ごっこ。
初めての恋、と愛。
初めての別れ。
【intr0ducti0n】
化石燃料と金が【血】に代わった湖上都市【
血液をエネルギーへと変換する吸血機関【ヴァンパイアエンジン】
血液の流通を取り締まる【血税局】。
血液で富を稼ぐ犯罪者たち【ブラッドサッカー】。
本気でこの世界の仕組みを壊そうとしたテロリスト【血盟団】。
わたしたちの、魂のない相棒たち:吸血機関自動人形【ヴァンプロイド】。
儚い祈りが世界を呪いの渦に鎮める、彼女の記憶と遺言【ディオダティ断章】。
そして、【あなた】と【わたし】。
【1ook 6ack】
弾丸のない拳銃を片手に、この街を走り抜けた。息が弾み、汗が流れて、身体が熱かった。あなたが笑う。心臓の音がうるさいくらい、必死に生きていた。憧れを追いかけていた。わたしは哀しくて、嬉しくて、苦しかった。
毎日、眠るときが幸せだった。いつか死ぬときも、同じくらい安心感に包まれたかった。あなたの温もりを抱きしめて、忘れたくなかった。わたしは泣いていた。
【n0w】
『奪う人より、与える人となれ』、父が何度も口にして遺言になった言葉。
奪われる前に、奪うことが生き残る術だと思っていた。だけど今こそ、わたしは与える人になりたい。この全世界に献血というカタチで関わるのだ。
血液の資本主義からわたしたちを解放する。
今、わたしという4リットルに満たない
【@nimi$m】
これは、わたしの思い出話。わたしが生きた十五年ともう少しの話。それから彼女たちの話。幸せになるため、足掻き続けた。それでもこの有り様だ。どこまで行ってもディアストピアの成り果てだった。
――血を流せ、ユートピア。
恋のために血を流した。愛のために世界を滅ぼそう。
大好きだったあなたに捧げる、残酷な終わりを迎える物語。
【※※※※※※※※※※】
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