君のとなりにいる僕
結紀
第1話
はあ……。
吐き出した息が白くなる。もうそんな季節か。
「うー、さみ」
僕の名前は光(みつる)。
今日は参観日だったから授業中気を張っていたせいですっかり疲れ切っていた。だが、今日はそんな疲れも吹っ飛ぶ予定があるのだ。
「連絡こねーな」
言葉とは裏腹に心はウキウキと小躍りしていた。そう、あの人に会えるからだ。
ピロリン。待ち遠しかったスマホの通知音が響いた。落ち着け。
自分にそう言い聞かせてはみるが顔がにやけてしまうのを止められない。
『もうすぐでそっちに着く』
たったそれだけの文章に僕の心は舞い上がった。好きな人からの返信。
そして彼は僕の主治医だ。
ふふっ。と笑みが零れる。きめぇな僕、恋する乙女かよ。そう言えば自虐的な考えは止めろってあの人は言ってたな。
よし、と気合いを入れ直したところで、
「あのー、すみません」
ふと、後ろから声を掛けられた。振り向くとそこにはがっしりとしたガタイのいい男性が立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます