サムンシングニュー

桜side

「桜綺麗よ」

お母さんが涙ぐみながら私の前を覆い被さるベール越しにそう言った。

「ありがとう。お母さん。私、お母さんの結婚式で着てたウエディングドレス着れてとっても嬉しい!」

私はお母さんを優しく抱きしめる。お父さんは私を見て

「桜、今までもこれからも頑張って生きてくんだぞ。」

私はお父さんを手招きして2人を抱きしめた。

「2人とも本当にありがとう!」

私は2人に最高の笑みを浮かべた。

チャペルのドアが開く前にお父さんは

「桜、お前が母さんの腹の中にいたとき実は産まれることが出来ない可能性が高かったんだ。」

「え?」

初耳だった。私は驚いてしまい

「そ、それってどういうこと?」

私はお父さんに急激に聞いてしまった。お父さんは私の目を見て

「元々は3人兄弟になる予定だったんだ。だけどお前が産まれる前の2人目は流産してしまったんだ。」

「う、うそ……」

「だけどな、俺たちは希望を捨てなかったおかげでお前に出会えた。命懸けだったよ。」

お父さんはいつになく悲しい瞳でそう言った。

「だから、お前は奇跡の子だ。生まれる前から運のつきものだし、立派な子だ。だからお前は俺たちの希望だ。」

あんなに頑な考えだったお父さんから告げられる言葉に私は

「私、2人のこどもでよかった!」

そう笑顔で言った。
















桜、智side


私、俺たちは色んなものを経験して悔しい思いもしたけどそれ以上に幸せな経験をした


2人でケンカしても仲直りの証はバニラかチョコのアイス


2人でご飯を食べる、寝ることも幸せ


大好きな人と一緒に向かえることができた唯一生きているときに自分たちの元へお祝いとして来てくれる結婚式













「桜」

「智さん」

「「あなたに永遠の愛を誓います」」


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瑠璃色の空からセンニチコウを受け取った僕 明智 依毬 @moonlight52

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