第11話

「にしてもあの人すげぇいい体してたなぁ〜」

と隣の席で達也が言った。

「って、お前クラスまで一緒かよ!?」

と的確なツッコミをした俺に誰か笑ってほしい気持ちだった。



















今日はオリエンテーションだけで俺と達也は下校しようとしていた。すると男の人が聞こえてそちらのほうを見ると市井さんとバスケ部らしき人達が汗をかきながら走っていたのが見えた。

「ちぇ〜あんなに一生懸命やるなら俺やだわ〜」

と達也は言うが、その一生懸命さに俺は惹かれて、翌日から練習に入った。













「蓬莱 智です。ポジションはFとCやってました。」

円陣の中俺は拍手で歓迎された。みんな体つきがよく、俺もあんな風になれるのかと期待がふくらんだ。俺の自己紹介が終わったあと海老名先生が教官室からでてきた。すると雰囲気がピリっとしてさすがだなと思った。蛯名先生はこちらを見ると目を輝かせて

「よく来たな!!よろしくな!!」

と俺の背中をバシーン!っと叩いた。すふとみんなが笑い、俺も笑顔が自然と出た。














練習は毎回山トレからの室内練習が多かった。とてもキツくて毎回俺はついていくのに必死だった。同期もそうだった。しかし俺は辞めようだなんて思わなかった。なによりも俺はバスケに夢中になって他のことは見えなかった。あっという間に春が終わり夏が来た。















「今回の夏季大会も頑張りましょうね!」

と五郎さんに声をかけると五郎先輩はこちらを見てニコッと笑い

「あぁ!!」

と体をぶつけ合う。俺と五郎先輩はこの短い期間で強い絆で結ばれた。それに五郎先輩と試合に出る時俺たちのコンビネーションを一目見て会場中が魅了できることに気づいた蛯名先生はよくスタートで出る五郎先輩とセカンドで出る俺をセットで出すことが多くなった。





















夏季大会で優勝すれば五郎先輩とま冬までバスケができる。




















俺たちは決勝前回の王者湘南高校と夏への1つのキップを賭けて勝負に挑む。

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