漫画家の俺、アシスタントである美少女2人から告白される〜断ったはずなのに翌日から2人が俺の彼女を自称してて、仕事場が修羅場と化す。どうやら俺は断り方を間違えたようだ〜
第1話 美少女2人と恋人になる約束をしてしまい、修羅場と化す
漫画家の俺、アシスタントである美少女2人から告白される〜断ったはずなのに翌日から2人が俺の彼女を自称してて、仕事場が修羅場と化す。どうやら俺は断り方を間違えたようだ〜
昼寝部
第1話 美少女2人と恋人になる約束をしてしまい、修羅場と化す
俺『
年齢は三十路前の28歳。
現在、週間少年ブレッドという雑誌にて『星に願いを』というラブコメ漫画を連載している。
内容は高校生の彦星くんと織姫ちゃんがイチャイチャするだけの漫画。
連載を始めてから1年が経っており、俺の漫画は表紙を飾ることのできるほど人気作品となっている。
そして現在、時は9月。
外は太陽が元気に活動しており、世の中のリア充どもがイチャイチャしてる中…
俺は修羅場に直面していた。
「乃々華!〆切まであと何時間だ!?」
「あと2時間後に桃田さんが原稿を取りに来ます!」
「2時間後!?寧々!それはあとどれくらいで完成できる!?」
「あと3時間あれば余裕で完成するよ!」
「〆切過ぎとるわ!」
等々、慌ただしく過ごす。
そして…
「よし、今回も素晴らしい話だ。私は急いで本社に戻る。お疲れ様」
「はい……お疲れ様でした……」
俺は担当編集の『
20代後半の美人な女性で、黒髪をポニーテールにしている。
スーツからでもわかるくらい大きい胸が特徴的で、おそらく、そのダイナマイトボディとキリッとした顔で数々の男を弄んできたに違いないと思っている。
俺は桃田さんがアパートから出たのを確認して周りを見渡してみると、女の子2人の屍が転がっていた。
さすがに2日寝ずに頑張ったからな……ちょっと寝よ。
俺はその場で意識を失った。
“トントントン”という軽快な音と、いい匂いにつられて目が覚める。
「んー!」
俺は伸びをしながら起き上がる。
床で寝ていたため、全身が痛い。
「あ、起きたんだね!お兄ちゃん!」
俺が起きたことに気づいた義妹の『
ピンク色の髪を肩のあたりで切り揃え、笑顔の可愛い女の子。現在高校2年生で背が小さく胸がデカい、いわゆるロリ巨乳の体型となっている。
実家暮らしをしているが、時折、俺のアシスタントをするためにアパートまで来てくれる。
「あ、先生、起きたんですね!こんばんはです!」
寧々の後ろから、寧々と同じ高校の『
高校2年生で『星に願いを』の連載が始まった当初からアシスタントとして活躍しており、寧々と同級生になる。
茶髪をツインテールに結んでいる美少女で、大学内でも人気があるらしく、いつも自慢される。ちなみに、胸が小さいことをいつも嘆いている。
「いい匂いがするけど、何か作ってるのか?」
「うん!寝ずに頑張ったお兄ちゃんを労うために、寧々が肉じゃがを作ってるんだ!」
「はい!先生の疲れが一瞬で吹き飛ぶような美味しいカレーを作ってます!」
あ、協力して作ってないんだな。
「ありがたいけど、夜も遅いから2人とも家に帰った方が……」
「ダメだよ!」
「ダメです!」
俺の言葉を2人が途中で遮る。
「「だって……」」
「寧々はお兄ちゃんの彼女だもん!」
「私は先生の彼女ですから!」
2人の言葉が被る。
「「むっ!」」
そして睨み合う。
「いつもいつも、寧々と同じこと言って!お兄ちゃんの彼女は寧々だよ!」
「違います!先生の彼女は寧々じゃなくて私なんです!」
「「うー!」」
はぁ、また始まったよ。
1週間前、俺は2人から告白された。
しかし、俺は28歳で2人は高校生。それに、2人は学校内でアイドルのような扱いとなってるくらい可愛い。
そんな子と俺が付き合うわけにはいかないので、俺は断る際、ある提案をした。
それが…
『2年後、俺が30歳になった時、俺のことがまだ好きなら、もう一度告白してくれ。その時は絶対に付き合うよ』
俺はそう言って、寧々と乃々華の告白を断った。
なかなかクズなことを言ってる自覚はあるが、2年経てば2人とも、俺じゃなくて違う人のことを好きになるだろう。
そう思っていたが、断った翌日から2人が俺の彼女を自称してくる。
「乃々華はお兄ちゃんじゃなくて他の人と付き合えば?今日もサッカー部のキャプテンに告白されなかった?イケメンって聞いてるけど?」
「その言葉、そのまま寧々に返します。最近、バスケ部のエースに告白されたはずですよ?その人、カッコいいってクラスの女子が話してるの聞きましたが」
「あの人、全然カッコ良くなかったよ。お兄ちゃんの方がカッコ良いし」
「私も先生の方が数億倍カッコ良いと思いました」
えぇ……お前ら、早く誰かと付き合えよ……。
「まぁ、寧々はお兄ちゃんから2年後、絶対に付き合うって言われてるから、乃々華は諦めて他の人と付き合えば?」
「それなら私も先生から2年後、絶対に付き合うって言われてるから、寧々の方が諦めた方がいいですよ?」
「「むっ!」」
またしても2人が睨み合う。
「おい、いつも言ってるが2人とも俺の彼女じゃないから、彼女のように振る舞わなくても……」
「2年後、寧々がお兄ちゃんの彼女になるから問題ないよ!」
「2年後、私が先生と恋人になるから問題ありません!」
「はぁ、こんな仕事場で漫画、描けるかなぁ……とりあえず、胃が痛い」
そんなことがあり、俺は2人から告白された時の返答を、毎日のように後悔していた。
まぁ、2年あれば2人とも俺なんかを好きじゃなくなるだろう。今だけ、今だけだ。
俺は何度も心の中で呟いた。
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