第三問

「岡部君、岡部君」


「楠ノ木さん、授業中だよ。どうしたの?」


「ここで第三問です」


「今はやめておこうよ」


「ダメですか?」


「ダメでしょう」


「…………」


「何で背中をトントンするの?」


「ダメですか?」


「それはダメじゃないけど……」


「…………」


「ごめん、ちょっと気が散るかもしれない」


「確かに、そうかもしれませんね」


「…………」


「…………」


「何で背中をツンツンするの?」


「やっぱりダメですか?」


「別にそれはダメじゃないけど……」


「…………」


「あ、先生。これはあの」


「私目が悪くて、何て板書してあるのかを彼に聞いていただけなのです。ですよね、岡部君?」


「え。あ、うん?」

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