第7話 凱旋門賞


デビュー1年目の新人騎手によるダービー制覇という大偉業で幕を閉じた日本優駿!

そのダービーを制したシルバーグレイト陣営はダービー終了後すぐに日本競馬の悲願のレース、凱旋門賞の挑戦が発表された!


「シルバーグレイトは凱旋門賞勝てるかね祐一君?」


そのシルバーグレイトのオーナーの藤原氏が調教師である祐一とのレース後の話し合いで質問した。オーナーに質問された祐一は正直なコメントをすることで有名な男だ。ここでも祐一は素直にこの質問に答えた。


「凱旋門賞5連覇中のアブソルートももう8歳ですからね、いつ衰えてもおかしくはないですが今年はその子供達も出走しますからね。」



通常、活躍した競走馬の多くは4歳から5歳には引退し種付馬になることが多い中、現役を続けながら種付けをするという競走馬生活を続けるアブソルートならではの異例の出来事であった。


「しかもこの前ダービーで何とか退けたヴァンガードも10頭いる子供達の中では決して強い方ではないって意見もありますからね」


「とんでもないなアブソルート産駒は(笑)」



日本のダービーの後に開催日されたイギリスのダービーもアブソルート産駒が当たり前のように制覇。


凱旋門賞のブックメーカーは軒並みアブソルートとその子供達を上位に指名していた。


ブックメーカー

1位 アブソルート(8歳牡)オッズ1.5倍

30戦30勝(G1 26勝)


今年も春先に種付けを済ませ、今年は未だに未出走ながら衰え知らずの同馬が大本命。今年はその子供達が大活躍している為、その対決が注目されている。



2位 シーズンスターズ(3歳牡)オッズ7.5倍

5戦4勝(G1 2勝)


父アブソルート産駒の代表格、デビュー戦は4着に敗れるもその後連勝街道へ、2000ギニーとイギリスダービーとイギリスのクラシックを制覇。



3位 ザルカバード(3歳牝)オッズ9.0倍

5戦5勝(G1 3勝)


シーズンスターズがアブソルート産駒の代表の雄馬なら、牝馬の代表格は間違いなくこの馬。2歳時にマルセルブサック賞、3歳の今年は仏1000ギニー、仏オークスの2冠。



4位 セカンドオピニオン(7歳牡)オッズ14.0倍

44戦20勝(G1 6勝)


アブソルートと長きに渡って戦ってきた同馬。挑んだ数はもはや20を数える。

アブソルート以外の馬に先着された経験はほとんどなく、アブソルートがいなけれなこの馬が間違いなく歴史的名馬になっていただろう。悲願の勝利へ今年こそ。



5位タイ バデイチ(3歳牡)オッズ17.0倍

7戦5勝(G1 1勝)


こちらも父アブソルートの雄馬。

仏ダービー勝利後、エクリプスステークスをシーズンスターズの2着と好走。



5位タイ ヴァンガード(3歳牡)オッズ17.0倍

7戦6勝(G1 2勝)


日本のクラシック制覇を目指しクラシック1冠の皐月賞を勝利。日本のダービーは惜しくも2着に敗れるも巻き返しに期待のかかる馬の1頭。



7位タイ イーストオーバー(3歳牡)オッズ22.0倍

6戦3勝(G1 1勝)


シーズンスターズとの息子対決となったイギリスダービーは3着に敗れるもその後のアイルランドのダービーを制覇しアイリッシュダービーでも2着に好走。



7位タイ メダリスト(4歳牡)オッズ22.0倍

12戦6勝(G1 3勝)


今年の日本馬の大将。

昨年の3歳時に菊花賞、4歳の今年は天皇賞春と宝塚記念とG1を連勝中。




9位 シルバーグレイト(3歳牡)オッズ25.0倍

4戦4勝(G1 1勝)


新人騎手のダービー制覇と歴史的偉業を起こした同馬の大活躍。凱旋門賞でも大偉業を起こせるか。



海外挑戦が発表されてから海外のブックメーカーでシルバーグレイトもオッズが発表された。そのオッズを見ながら祐翠と珍念は話していた。


「9位か…今年は例年にないくらい層が厚いよな。」


「祐翠くん、凱旋門賞は勝てそう?」


「ああ!勝つに決まってるじゃん!」



日本競馬の悲願【凱旋門賞】に新人ダービージョッキーが挑む!

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