第4話 ダービースタート

1番人気ヴァンガード   単勝 1.3倍


2番人気モヒートミント  単勝 6.5倍


3番人気シルバーグレイト 単勝12.8倍


4番人気サトミフロック  単勝19.5倍


5番人気ブレイブバード  単勝34.2倍



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日本ダービーの前日オッズを見て競馬ファンの若者2人がやり取りしている。


「あれ?シルバーグレイト12倍もつくんだ?皐月賞でヴァンガードとは勝負付けすんだ感のあるモヒートミント」より人気になるかと思ったんだけどな」


「シルバーグレイトはダービーじゃ不利と言われる大外の18番枠だからな。お父さんの祐一もダービー初制覇は8枠で勝ったけどあれは17番枠だったしな。かなり厳しいよ」


「そうなんだ…」



最近競馬を始めた若者の手にはシルバーグレイトの単勝馬券が握りしめられていた・・・



1枠1番絶好枠で大本命のヴァンガードに騎乗するD.リラード騎手。


「初対決のシルバーグレイトは大外枠だから気にせず自分の騎乗に専念しよう。スタートと内で包まれることだけに注意すれば問題ない。」



3枠6番鷹極騎手騎乗のモヒートミント。


「普通に乗ったら勝機はない…一か八か…」



とぅーとぅるるるー‥‥



ダービーのファンファーレが鳴り、続々と各馬がゲートの中に納まる。

18番のシルバーグレイトのゲートインを待っている状態。


鞍上の祐翠も馬も大変落ち着いた様子に祐一調教師。


「よしいいぞ!祐翠だいぶ落ち着いているな。スタート大事だぞ!」


 

ガッシャン!


『ゲートが開き各馬スタート!!!』



各馬大きな出遅れもないまま無難なスタートを切ったと思われた中、1頭の馬だけが大きく出遅れ実況が吠えた!


『おおっと!シルバーグレイト出遅れたぁー!!!』


出遅れた祐翠


「………」


スタートの大事さを力説していた祐一調教師は苦い表情をしている。

スタートで1つ事件あった矢先、モヒートミント騎乗の鷹極が仕掛ける。


今までは後方待機で末脚にかける戦法でこのレースもヴァンガードの後ろからマークする競馬をすると思われていたが、スタートで前に出しヴァンガードの前につけたのだ。


ヴァンガード騎乗のD.リラード。


「タカ‥」



第一コーナー逃げ宣言をしていた田名部騎乗のマイルドカフェモカ。

そのすぐ後の2番手でモヒートミントがコーナーを回っていた。

差のない3番手争いにヴァンガードの姿があった。


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