エンドゲーム

@kinger

第1話 終わりの始まり

 目の前には血だらけの教室、血の不快な匂いが鼻腔をくすぐる。しかし意外にも嗅ぎ慣れたようなきがした。それもただただ孤独を感じていた、ただただ絶望を感じていた…

 「はぁ、はぁ…」

目が覚めるとそこはいつもの天井だった。

 「知っている天井だ。」

なぜかそう思った。そして安心した。それも何か長い夢を見ていた気がしたからだ。それも悪夢を。相当うなされていたせいか、全身汗でびっしょりだった。ふと時計を見ると7時41分を示していた。どんな夢を見ていたか思い出したかったが、時間がやばいので学校に行くことにする。階段を降りると味噌汁のいい匂いが広がっていた。今日の朝ごはんはお米だった。いつもはパンなのに、自分はいつもパンを咥えながら着替えていたので、予定が少し狂ってしまった。そんなことを思っていると、

 「今日はパン切らしちゃったからご飯にしたよ」

そう母親が言っているのが聞こえてきた。昨日買ったはずなのにおかしいわね…とかブツブツ言っていた。朝ごはんをかきこみ、急いで家を出た。まあ時間がないと言っても学校に遅刻するというわけじゃないが。

 「もう、おそーい!今日は早く行きたかったのに!」

 「ごめん待たせた。」

幼馴染と登校する用事があったのだ。

 「早く行くよ」

彼女は妃 美玲(きさき みれい)、髪型はちょっとボブぽい感じで目も大きい。まあ、とにかく顔全体が整っている。普通に可愛い。なぜ俺と一緒にいるのか全く理解できない。

 「昨日の特番見た?」

 「見た見た。めっちゃおもろかったよな。」

 「そうそう!特にあの…」

こんな感じでいつも他愛のない話をしている。仲は普通にいいと思う。まあ特別な関係でこそないが。そうこうしているうちに学校に着いた。

 「じゃあ行ってくるね」

彼女は美化委員らしく、朝早めに来て清掃したりしている。

 「俺も勉強でもするかな」

結局いつもはゲームしてしまう所はある。

 「うーす登」

俺の数少ない友達の宮田守(みやた まもる)が登校してきた。

 「うすうす」

俺よりも少し遅く登校している。そういえば俺の名前は滝水 登(たきみず のぼる)。俺たちは家の近くの普通の中学校に通っている。今は中学三年生、夏休み明けて数日なのでかなり憂鬱だ。

 「俺ついにランキング一桁行きました」

 「まじ?」

俺と守はだいたいあるゲームの話をしている。俺と守はそのゲームの上位勢だ。

 「キーンコーンカーンコーン」

ゲームの話をしていたらベルが鳴ってしまった。

 「じゃあ後で」

始業のベルが鳴ったので着席する。そういえば今日は休んでる人が多いな。そう思いながら先生を待っていると、

 「ツーツー、皆さんこんにちは、えー"遠藤"です。今からデスゲームを始めます。」








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エンドゲーム @kinger

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る