雨虹みかんホラー文庫
雨虹みかん
放課後のマジックショー
今から放課後のマジックショーが開かれる。マジシャンは、ぼく。マジックショーといっても小学校のお楽しみ会の出し物だ。だから客もクラスの人だし、マジックだって簡単なしかけだ。最初は、ぼうしから花が出てくるマジック。ぼうしの中に手を入れて花をつかみ手を出した。だが、そのしゅんかん、つかんでいたはずの花がなくなっていた。おかしい。しっかりとつかんだはずなのに。でもマジックを続けなくては。気を取り直して次のマジックにとりかかる。次は人が消えるマジック。しかけは段ボール箱の中にA君に入ってもらい、ぼくが布で魔法をかけるつもりで箱をかくし、その間にA君に箱の外に出てもらい、たなの後ろにかくれてもらう。というものだった。でもA君を箱に入れてもなかなか出てこなかった、ぼくはおかしいと思い、箱を開けた。そのしゅんかん、僕の顔から血の気が引いた。A君がいなかったのだ。その後ろから盛大なはくしゅが鳴った。「すごい!どういうタネか教えて!」どうやらみんなは、これもマジックだと思っているようだ。本当はもっと手品をやろうと思っていたが。これで終わりにした。お楽しみ会も終わり、帰り道にあるクラスメートが「マジック終わったのにA君がいないね-。トイレに行ったのかな。」と言った。ぼくは悪い予感がした。その予感は的中した。次の日ぼくはいつも通り学校に行った。本を読んだり、友達と話をしたりしながらA君が来るのを待っていた。しかし。A君が学校に来ることはなかった。
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