第36話 家の猫はどうやらバカらしい…。
「ホレホレ〜!」
「ニャン!ニャン!」
「おい、見ろよ…!やっと猫が寄って来てくれるように…って、あれ?りんご…??」
親切な女性スタッフさんに、猫をおもちゃであやす方法を教えてもらうと、小さい黒猫がおもちゃに飛び付いてくれるようになり、俺は得意になってりんごのいたところを振り返ると、そこには誰もいなかった…。
お手洗いにでも行ったのだろうか?
「どうかされましたか?」
キョロキョロしている俺に、さっきの女性スタッフさんから声をかけられた。
「あ、いや、ちょっと連れがいないみたいで…。」
「あれ?本当ですね。ちょっとお待ち下さいね?」
「すみません…。」
女性スタッフさんが、レジにいた他のスタッフさんに声をかけてくれたのだが…。
「あっ。あの、それが、お連れさん、先にお会計を済まされまして、帰られたみたいで…。」
「ええっ!?」
レジにいた茶髪のおかっぱ髪の店員さんに言いにくそうに伝えられ、俺は目を剥いた。
何やってんだ、あいつは?!
「ちょっと連絡とってみます。」
スマホを取り出し連絡を取ろうとすると、りんごからLI◯Eメールが届いている事に気付いた。
『勝手に先に店を出てすみません!
浩史郎先輩に千載一遇の大ラブチャンスの到来とお見受けしましたので、飼い猫は邪魔にならないように姿を消した次第であります!』
「は?何言ってんだ、あいつ?!」
さっぱり意味が分からないまま、メールを読み進めると…。
『「巨乳、年上、優しい」の三拍子揃った方が目の前にいらっしゃるではないですか!』
「んあ?」
『巨乳、年上、優しい』って…。
近くで、俺の様子を心配そうに見守っている女性店員さんの双丘(推定Gカップ)をチラッと見遣り、苦笑いを浮かべた。
も、もしかして、この女性スタッフさんの事か?!
や、確かにさっきりんごが言ってた俺の好みとやらの要件は満たしてるかもしれんが、
大した調査もなしに、いきなり乱暴すぎるだろう。
『私、勝手に帰ったワガママな連れを演じますから、彼女に甘えるように相談に乗ってもらって下さい!
不幸そうな年下イケメンは、年上女性に大人気と統計にも出ています。きっとイケます!』
いや、不幸そうな年下イケメン大人気ってどこの統計だよ?💢
『猫は、頑張る浩史郎先輩を隣で見守りながら、全力で応援しています!』
お前はどっかのスポンサーか!!
ん?隣…??
そう言えば、ここの建物の隣のビルも、何軒かカフェが入っていたよな…。
嫌な予感がして、カフェスペースの窓を覗いてみると…。
「!!」
数メートル先の隣のビルのカフェの窓際の席に変な星型のサングラスをかけたりんごが座っていた。
「!!♪」
ブンブン!
りんごはこちらの様子を窺っていたが、俺と目が合うと、嬉しそうに手を振ってきた。
俺がりんごを睨みつけると、奴は、俺に向けて「頑張れ」と言うように、片手でガッツポーズを取って来た。
「キ・ミ・ハ・バ・カ・ナ・ノ・カ?」
口パクで、俺は奴に言ってやった。
*あとがき*
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