黒田郡探偵事務所
KKモントレイユ
第1話 降臨
そこは、この世とは思えないような空気に取り巻かれていた。部屋の四方、天井に無数のお札が貼ってあり、その部屋の東西南北と
部屋の真ん中では一人の女性が苦しそうにうなされている。そして、その周りには
『貴様が
空気に響き渡るように、あるいは地の底から響いてくるように、どこからともなく、
「何者! この者に取り
態勢を整え、もう一度、
『面白い。面白い。もっと強くなって再び私の前に現れるがよい。その時は仲間と共にな……』
「……
『この者には悪かったが、お前を試させてもらった……』
まるで
部屋のざわめきが消えた。はためいていたお札は静かになり、部屋に立ち込めていた異様な空気も落ち着いたのがわかった。
部屋の真ん中でうなされていた女性は、まるで何事もなかったかのように目を覚ました。
先程までこの部屋に立ち込めていた何者かと
「大丈夫ですか?」
女性は何が起こっていたのかわからず、下を向き首を振る。
「わからない。何が起こっていたんですか?」
部屋の状況、その異常さに驚き、両手で顔を覆って泣き出した。
「もう大丈夫ですよ。もう何も起こりませんから」
しばらくして、女性も少し落ち着いて来た、震えていた体がゆっくり落ち着きを取り戻した。
『神族か……』
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