合言葉はラッキートレイン
Rotten flower
第1話
「合言葉はラッキートレイン」
その言葉で目が覚めた。
あれは誰が放った言葉なのだろうか。
頭の中で響いているその言葉は、記憶の奥底にある忘れたいことなのかもしれない。
「合言葉はラッキートレイン」
その言葉が自然と口から出た。
誰かに伝えたいこと。伝えたかったこと。
それを追い越して口から出てきたその言葉には何か意味があるのかもしれない。
あれは、誰だったか。
その声は頭の中ですぐに溶けて失くなってしまた。
今はただその言葉が何だったかを思い出す。
「合言葉はラッキートレイン」
何の合言葉だったのだろう。
「ラッキートレイン」という響きはいいがとてもかっこいいとは思えない。
その思い出を振り返ってもあるのはただの虚像のみ。
どこからその言葉が出て、いつ忘れたのか。
今でもわからない。
「でも、」
僕は、それに思いを馳せ、ただそこからの繋がりを考えることが今の幸福だと悟った。
「合言葉はラッキートレイン」
ポストに入っていた紙にはそう書かれていた。
裏面にはなにもない。
試しに裏面にラッキートレインについての考察を書いてみようと思った。
トレインとつくのだから電車だろう。
ラッキーとついているがなにがラッキーなのだろう。
なにを考えていたのだろうか。
自分の今持っている紙は、コピー用紙のようになにも書いていないのであった。
「合言葉はラッキートレイン」
ラッキートレインとは何だったのだろうか。
私はそれについて考えた。
言葉として突然現れ、そして突然記憶の中から消える。
何分保つかわからないがわかったことは…
自分がなにを書いていたのかわからなくなった。
妙に悪寒が走り寒気がすごいのでこの物語はここで終わろうと思う。
合言葉はラッキートレイン Rotten flower @Rotten_flower
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます