第44話

「いやぁ、ジャムちゃんが戻ってきてくれるなんて。助かるよ」


「このおじさんたちはー?ジャム知らなーい」


あー梅田の会社の奴らな。


「新しい事務員。ほら、モデルのジャム」


「ほ、本当に!」

「すごい…本物」


驚いてるようだ。ジャムちゃんもまんざらでもなさそう。


「ジャムは〜忙しいけど、ちょこっと手伝うよ!まだ、アメリカの仕事が入ってるから〜」


「いいよ、そこはこの人らと調整する」


「わかりましたー!でー社長はどこですかー?なんか、社長の娘がやってる?」


「いや、その娘の旦那が今はやってるよ」


「えー!?そーなんだぁー」


「社長室にいると思うよ」


「はーい!じゃあ行ってきまーす」


「ジャムちゃん、なんで俺がここにいるってわかった?」


「ほのかちゃんに聞きました〜」


「あーそう」


すっかり俺は事務員扱いにされてる。


「撮影は明日からお願いしまーす」


「あ、そうだね。よろしく」


ジャムちゃんは元気に出て行った。


「もしや、小暮さんが担当なんですか?」


「そうです」


「す、すごい」

「まさか日本語ぺらぺらとは…」


へー、この人ら何も知らんのか。ちょっと得意になった。

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