第16話

「守、お疲れ様」


「…疲れたなぁ」


面倒な人いっぱい。スタイリストの旭川さんは、めっちゃめんどくせぇ人だ。彼の嫁が一緒に働いてるけど、離婚してるとか。なんなのこれ。なんで同じ職場で働きたいんだか!


みどりからもらった緑茶を飲む。お弁当は注文したやつ。


「ふー昼からもモデルたちと話すのめんどくせぇ〜やること盛り沢山〜」


「みんな反応いろいろみたいだね?」


「そりゃそうだよ」


俺は今のところ、妻のみどりと一緒に働いてるわけだけど、いずれは大学に戻ってもらう。俺1人では無理だから小暮くんを頼るしかない。あいつ、無理矢理にでも使ってやるしかないか…いや他の人雇うかな…。


「旭川さんの別れた理由はなに」


「知らない。けど、日ノ原さんがまた働きたいとか言ってきたんだって」


「ふーん、変なの。めんどくせ」


「沖縄はどうだったか話してよ」


「あー」


今朝帰って、直で仕事にやってきたんだった。


「藤原さん、戻す」


「え、なんで?カメラマンいないからやったのに」


「実ができる」


「えー!?足助さんそんなことまで?」


「前からそういうの得意なんだよ。実の使い方、みんなわかってないなぁ」


「守、じゃあさ、足助さん大変になるよ?デザインしながらカメラってことじゃん」


「たぶんできる」


「本人に言った?」


「ジュンヤとは話した」


「まじで?あの人話通じる?」


「英語で」


「…そうかぁ、その手があったか!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る