第24話 委員長って不遇じゃない?
休日明けの朝
「あ〜、そういえばまだ委員長と副委員長を決めていなかったので今決める。やりたい奴は挙手してくれ」
優菜たちの担任、村松香織はめんどくさいそうに言った。
何故今になって決めるのか、それはおそらくもうすぐ校外学習が近づいていて、そのためのクラスのまとめ役を選出する必要があるからだろう。
だが委員長と副委員長などと言うめんどくさい仕事を率先してやりたい者はおらず、誰一人として手を上げなかった。
(まぁそうなるよね、私だって絶対にごめんだし)
予想通りの展開に納得していると、隣の席のエリナがスッと手を上げた。
「おお、七瀬やってくれるのか 」
「はい、私は副委員長に立候補します。」
おお、エリナが自分から立候補するなんて珍しい……! いつもは何事にも興味なさそうなのに。
「よし、これであとは委員長だけだな! 他に誰か__」
そう村松先生が言いかけた所でエリナがスッともう一度手を上げた。
「ん? 七瀬、お前はもう決まったから委員長は無理
だぞ?」
「いえ、私は委員長をやる気はありません。」
「では、何故?」
村松先生だけでなく、玲奈(里奈は爆睡中)やクラスメイト全員が不思議そうに見つめていた。
ほんとどうしたんだろ? なんでもう一度手をあげたんだ?
そう疑問に思っているとエリナが口を開いた。
「このクラスの委員長に相応しいのはたったお一人、優菜様以外あり得ません。」
エリナがそう言った途端一気に優菜に視線が集まった。
「……へ?」
一瞬何を言われたのがわからなかったが徐々に理解が追いつき、心の中で叫んだ。
なんでぇぇぇぇぇーー!?
いや、え? まじでなんなの? なんで私が委員長なんか……!?
「お、おうそこまでいうなら…‥じゃあ鳳条、委員長やってくれるか?」
村松先生がこちらの様子を伺いながら聞いてきた。
正直優菜としては委員長など断固拒否したい所だが、これだけ持ち上げられた後にやりませんという鋼のメンタルを持ち合わせていなかった。
恥を忍んで辞退するか、観念して委員長を引き受けるかだ。その2沢を迫られたが優菜は諦めて後者を選んだ。
「……はい……分かりました……」
「ああ、あと明日生徒会との打ち合わせがあるから、二人ともよろしくな〜」
「えぇ……」
いきなりの初仕事……しかも結構大変そうなやつ……ううやっぱりやらなきゃよかった……
優菜はこれからのことを考え頭を抱えた。
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