第8話 ライバル現る
タワマンに引っ越してから、1週間程たち今日はいよいよ
天慶学院の入学式だ。
「こんな感じかしら?」
「お似合いです。優菜様。」
「ありがとう、エリナも似合っているわよ」
「お褒めに預かり光栄です。」
いつものように付き人モードの真面目顔で答えるが耳が真っ赤に染まっていた。
天慶学院の制服はかわいいやかっこいいという普通の制服とは違いどちらかというと美しいや気品があるという表現が正しい。実際元々色気や大人っぽさがあるエリナが着るとさらに美しさに磨きがかかっていた。
そんなことを考えているとエリナが顔を覗き込んできた。
「優菜様、どうかされましたか?」
「いや、エリナは美しいなと思って」
「ひゃ!?」
エリナが可愛い声をあげ、今度は完全に付き人モードの顔が剥がれ顔が一瞬でまっかに染まった。
「エリナ?」
「ゆうな様のいじわる……」
ソファの後ろに隠れながら照れる彼女に優菜はとても微笑ましくなった。
天慶学院は優菜達のマンションから徒歩で15分と割と近い方で、エリナと喋りながら登校しているとあっという間に高門の前に着いてしまっていた。
「これが天慶学院……」
流石は名門校といったところか、校舎も立派な作りになっていて貫禄を感じさせる。
そんなふうに見惚れていると、周囲の視線がある場所に集まっていたのがわかった。そこには一台の高級感のある車が止まっていてその中から二人の少女達が出てきた。
「皆様ご機嫌よう。」
黒髪少女は鈴が鳴るような声でそう告げた。
「ごきげんうるわしゅー」
黒髪の少女に続き背の低い茶髪の少女が告げた。
「エリナあれって……」
「如月グループの御令嬢の如月玲奈と付き人の東雲里奈ですね。」
「え!?」
如月グループといえば宮下グループと同じ日本五大グループなら一つで確か、宮下と犬猿の仲だったはず。とりあえずこの場は逃げた方がいいな
「エリナ、いこ」
「はい。」
そうして足早に退散しようとする優菜の背中に声がかけられた。
「これはこれは、鳳条グループの令嬢宮下優菜さんじゃないですか」
振り返ると非常わざとらしそうに驚いている顔をした玲奈が立っていた。
「私は如月グループの令嬢の如月玲奈です。仲良くしましょう」
笑顔で話してはいるが目が完全にこちらを敵対視している目だった。
「ええ、こちらこそよろしくお願いします。」
優菜も負けじと玲奈のめを睨み返す。
二人が無言で睨み合っているとエリナが声をかけた。
「優菜様、どうやらクラス毎の名簿が張り出されたようです。行きましょう。」
「え、ええ行きましょう。」
「それでは玲奈様失礼します。」
そしてその場に玲奈と里奈が残された。
「玲奈様大人気ない……」
「だって仕方ないじゃない一様ライバルグループなんだから。それより……あの付き人よ」
「私も……驚いた。」
「何が目的なのかしら……」
「それより玲奈様早くあっちいこ」
「はいはいわかったわよ」
二人は急いで玄関に向かった。
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