第7話 一緒に寝て頂きませんか?
あれから宮澤さんに部屋のあちこちを丁寧に紹介され、その後に必要な物の荷解きを終え、現在寝る前に父親の政典と部屋で電話をしていた。
『で、どうだった? 私の用意した部屋は?』
「はい、本当に素晴らしいお部屋ですごく気に入りました!」
『それは私も頑張って見つけた甲斐があったよ、初めての新生活で不安だろうがエリナと共に頑張ってくれ。期待しているよ』
「はい!期待していてください!」
『ふふ……ではまた困ったことや寂しくなった時は電話してくれ、いつでも出るからね。ではまた』
優菜は父親との電話を終えると、倒れるようにベッドに座に座り込む。
「はぁ……疲れた。やれやれ相変わらず過保護な人だなぁ、もうちょっと子離れしてほしいもんだね。」
そんなことを言いつつだらけていると、部屋の扉がちょっとだけ開いてそこから真っ赤な顔をしたエリナがこちらをじっと見つめていた。
「どうしたの、エリナ。何か用?」
「い、いえ! その、私初めての場所で慣れなくて……」
「慣れなくて?」
「で、ですから!い、一緒に寝て頂けませんか!」
「なんで!?」
待て待て急にそんなこと言われても困る、一緒に寝るなんて小学生の時以来じゃないか!ていうか理由可愛いなオイ
「嫌……ですか?」
回答を悩んでいると、エリナが今にも泣きそうな顔をしながらこちらをじっと見つめている。こんな顔をされてしまって断るに断れない……。
「くっ、……わかった、一緒に寝よう」
「ありがとうございます。優菜様!」
エリナが満面の笑みを浮かべて言った。
「じゃあいらっしゃい」
「はい、失礼します。」
そう言うとエリナがベッドの中に入って来た。1人用のベッドなので2人で、入るには狭く常に体の何処かが接している状況だった。
そして先程からエリナは腕にふたつの柔らかいものが押し付けられている感触がしていた。
「エ、エリナちょっとくっつきすぎじゃない?」
「そうですか?普通だと思うのでけれど……」
そう言ってはいるがどんどん押し付ける力が強まっていた。やがて優菜の腕はすっかりふたつの膨らみの中に収まってしまっていた。
何とかこの状況を打開しようと声をかける。
「エ、エリナ」
「……」
「エリナ?」
そう問いかけるが帰ってきたのは「スゥ……スゥ」というかわいい寝息だけだった。
結局優菜はろくに眠れなかった。
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