第26話

 反重力プレートが作業用巨神兵に激突してた。

 巨神兵が倒れて子供達を巻き込んではいけないから、空中に浮いて重力を強化している。

 カトリーヌが飛び降りた。

召喚サモンサンドゴーレム」

 カトリーヌか白魔法の、神の恩寵を最大限使った召喚を行う。

 本来なら儀式魔法で土や石で作る巨大な人形だ。

 昔は神殿を守る守護者ガーディアンとして冒険者を苦しめた。

 魔力供給場所からあまり移動できないが、力だけなら近代兵器とも互角に戦える。

 今回の場合、砂の手首を作り、両足に蟻地獄を作り、足首を埋め、砂で握った。

「うおー」

 作業用巨神兵は両手を上げプレートを掴みにくる。

 カエデが飛び降りた。

 ホールディングバッグからビームサーベルを取り出した。

 右腕を切り落とした。

 カウマが飛び降りた。

 ホールディングバッグからアトミックランスを取り出した。

 左腕を爆破した。

 コクピットから脱出した。

 エルネストがマールズ姫を庇うように立った。

「少尉。敵は向こうだぞ、500年の恨みを晴らせ」

 拳銃を抜いた。

 エルネストも聖剣ディバインソードを抜く。

「うるせー、幼女と老人ダンピールどちらかを選べと言われたら答えはひとつだろ」

「えー、人妻が好みじゃなかったの!」

「男は信じちゃダメょ」

 カエデがカトリーヌの肩を叩いた。

 銃声が響き、弾丸を弾く。

 聖剣ディバインソードが心臓を貫く。

 ダンピールが首に噛み付く、激しく出血する。

「聖なるかな、聖なるかな、聖なる・・」

 青白い光が刀身から溢れだし絶命した。

「ダンピールって、灰になって消えないのか最後まで胸糞悪い奴だ」

 エルネストが血を流しながら座り込む。

「坊ちゃん」

 カトリーヌが首を押さえて止血した。

「お願い、坊ちゃんを癒してください。もう白魔法の魔力は切れてしまったんです」

 マールズ姫を見た。

 モアが降りてきた。

 何も言わない。

「お願い」

 カトリーヌが頭を下げる。

 ヨハンネスの仇。

 500年、戦い続けた家系。

 子供達の視線がマールズ姫に集中する。

「癒してあげて」

 小さく口にした。

 エレメント使いのトパズが生命の精霊を召喚した。

 精霊使いのプリウムが治癒の精霊を使用した。

 傷がミルミル癒えていき完治した。

「坊ちゃん、良かった」

 カトリーヌが抱きついた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る