第20話

 カエデとカウマの姿を見送った。

 カリブ沖に錨をおろして停泊中。

 周囲に船影なし。

 潜水艦が魚雷を撃ってきたら飛んで逃げるしかない。

 24時間スケルトンが監視していた。

「船影1」

「どこ?」

「真横です」

 潜水艦がゴーストシップの真横に浮上してくる。

 小銃を撃ちながら兵がハッチを開けて出てきた。

「応戦して」

 ホールディングバッグから機関銃を取り出してスケルトン達にわたした。

悪霊イービルスピリッツよ、潜水艦に乗り込んで取り憑き、殺しなさい」

 白い幽霊が襲いかかる。

 向こうも精鋭の何人かが乗り込んでくる。

 スケルトン達が剣を抜いて応戦する。

 基本弾丸はスケルトンの空間を抜けていく。

 謎の怪しい中国人が呪符を投げてくる。

 スケルトンも歴戦の戦士、盾で上手に受けて破損を免れてる。

 狼男が変身して多少大型化したが、複数のスケルトンが押しとどめる。

聖騎士パラディン出番だぜ。吸血鬼ヴァンパイヤを殺して500年の因縁にケリをつけろ」

 エルネストが聖剣ディバインソードを抜く。

 それまで戦っていた勇敢なスケルトン戦士達が、聖なる光をみて退く。

「お生命、ちょうだいします」

 私に向かって走ってくる。

 恐怖心で誰も動けない。

 聖剣ディバインソード不死者ノスフェラトゥを殺せる。

 死が向かってくる。

 アンデットが恐怖で動けない中、人間は違った。

 私と聖騎士パラディンの間に老執事ヨハンネスが入った。

 聖剣ディバインソードが振りおされた。

 ヨハンネスが倒れた。

「イヤ、ヨハンネス、イヤー」

 受け止めて、倒れ込み、すがりついた。

 もう戦う気力はない。

「死なないでヨハンネス、死なないで」

 聖騎士パラディンも動かない。

「人を殺した」

 うめくように呟いた。

「ネェ騎士様。私殺されてあげるから、彼を白魔法で蘇生させて。

 まだ間に合う」

 お願いした。

 出血が多すぎたり、首をはねたりすれば蘇生は不可能だ。

 傷を治し、蘇生の魔法を唱えれば、まだ間に合う。

「童貞卒業おめでとう」

 グレゴリが拳銃を抜いた。

 聖なる弾丸。

 それでも死ぬまい。

 ブラハム船長が盾を構えて間に入る。

 弾丸が盾に食い込む。

 私は聖騎士パラディンを見た。

 あなたの聖剣ディバインソードなら私を殺せる。

 だが彼は一歩下がった

「姫様」

 空中からカエデが飛び降りてきて時が動きだす。

 スケルトン戦士が勇気をふるい戦い出した。

 聖騎士パラディンはカエデの攻撃に防戦一方。

 明らかに精神が萎えている。

 カウマに人間に戻った。

 サリーをすぐに巻いたが目の前の謎の怪しい中国人に対して怒った。

「この肌を見ていいのは、この世に唯一人。

 貴様許さんぞ。

 殺す」

 カウマはプラーナを解放した。

 白光色の槍を作った。

 世界中の民族の秘技。

「プラーナ」「気(き)」「エーテル」「精神剣(サイコソード)」など精神の物質化はどの民族にもある。

「うおー」

 謎の怪しい中国人を突き刺した。

 ボン。

 煙と共に呪符に変化した。

「目眩しか、だが舐めるな」

 上から2番目のチャクラ、第三の目のチャクラ・アージュナーを回した。

 テレパシー、魂の色が見える。

 中国人の怪しげなオーラを感じた。

「そこ」

 何もない空間を突き刺した。

「グフ」

 出血した中国人が倒れ込む。

「状況不利です、グレゴリ様お逃げ下さい」

 バーナードは声を上げてカエデに突進する。

 カエデが懐からリボルバーを取り出した。

 ズドン。

 一発撃つと走ってくるバーナードが苦しみ出した。

「銀の弾丸だ。

 狼男。

 対毒判定の時間だ」

 2発目を叩き込む。

 3発目を叩き込む。

「バーナード」

 グレゴリが叫んだ。

 全弾叩き込む。

「もう無理です。少佐。退却します」

 聖騎士パラディンがダンピールを担ぎ上げた。

 カエデが銀のダガーを取り出した。

吸血鬼ヴァンパイヤはあそこにいる。

 もう少しなんだ」

 船の縁から飛び降りた。

 潜水艦が燃えている、

 悪霊イービルスピリッツが破壊したのだ。

 カエデが狼男の首を刎ねた。

 カウマが謎の怪しい中国人の首を刎ねた。

 たくさんのゴムボートが浮かんでいた。

 遠くから輝く光がくる。

 絶対魔法防御アンチマジックシェルを展開して、

 ホーリーシップがくる。

 ここにとどまれば全員死ぬ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る