第7話
あたしは二階のアパートに住んでいるけれど、
牛縞君は、あたしの住むアパートの隣のマンションに住んでいた。
近所というほどでもないけれど、近くに、歩いていけるくらいの距離には住んでいた。
小学まではよく、牛縞君の家に泊まりに行くこともあったけれど、
中学になってからは、そうゆうことはしなくなってきて、
お互いに恥ずかしいという感情が芽生えるようになった。
幼なじみといえ、異性の友達であることに変わりはない。
いまだに一緒に帰ってくれるから、それはそれでいいのかもしれない。
だけど、市江ちゃんと仲良くなると、市江ちゃんと帰ってばかりだから、それ以来は牛縞君と疎遠になっているかもしれない。
あたしは一年五組で、牛縞君は一年四組で、隣のクラスというのもあるかもしれない。
次の日に学校に行けば、市江ちゃんから、
「牛縞君ととったわね」
「とったも、何も付き合ってないけど」
「そんなの幼なじみという特権を使って、一緒にいるんじゃないの」
「幼なじみなんて、あたし一人じゃないから」
「え?」
「一年三組の方に、牛縞君のもう一人の幼なじみがいるよ」
そう、あたしと牛縞君と、
出会いは、小学一年生のころから。
あたしと多摩湖ちゃんと牛縞君は、三人でよく遊んでいたりしたし、一年生の頃は三人で同じクラスだった。
中学に進学した時に、多摩湖ちゃんは、一年三組になった。
多磨湖ちゃんは、牛縞君が好きで、小学六年生の頃に告白したけれど、振られてしまった。だけど、友達関係は続いている。
多磨湖ちゃんはいまだに、牛縞君が好き。
だから、あたしは告白できない。あたしの大切な幼なじみを傷つけたくないし、あたしにとって、本音で語れる唯一の人だから。
「そんな話、聞いてない」
多磨湖ちゃんは中学に進学してから、部活にり、二人で一緒に帰ることが増えたけれど、部活がない日は多摩湖ちゃんとも一緒に帰っている。
多磨湖ちゃんは、マンションの一階に住んでいて、
牛縞君がマンションに二階に住んでいるから、
確かに多摩湖ちゃんの方が近所っていうのかもしれない。
「言う必要ないから」
今回は、市江ちゃんはその場を去ったけれど、次はどうなるのかな。
あたしと多摩湖ちゃんと牛縞君はきょうだいがそれぞれいる。
牛縞君は兄が一人いて、多摩湖ちゃんは弟が一人いて、あたしには姉が一人いる。
あたしは姉一人、父一人、母一人、祖父一人の五人家族。
あたしには美人できれいな姉がいるから、それがコンプレックスとなる。
姉はファッション雑誌の読者モデルをしている。
中学一年生の頃にスカウトされて、あたしとは大違いだよね。
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