読み切り

第1話

あたしは、苺野 毎《ばいの まい》。15歳。中学三年生。

好きな食べ物は、いちご、ショートケーキ、食パン、ジャムパンなど。

好きな色は、ピンクと赤。

1月5日生まれ。

中学一年の時は五組だった。あたしの学校は五クラスまであるの。

身長は、161、5センチ。体重は秘密。

性格は照れ屋ですぐ顔が赤くなっちゃうところと、顔がピンクになるくらい怒りぽっいところかな?

髪型は、いつもいちごみたくシニヨンにしていることが多い。男子には「おばさんみたい」とからかわれるけど、いいの。


同い年の男子なんか子供ぽっいから、彼氏にしたくないの。

あたしは、年上で10センチ以上背が高い男と恋愛したいの。


今日も肩まである髪をお団子ヘアーにして、いちごのヘアピンをつけて、学校に向かうよ。


学校に向かう途中に、ピンク、白、青、黄色、紫、オレンジなどのランドセルの小学生を見る。

小学生のランドセルも、いろんな色があるもんね。

あたしは、ピンクのランドセルで、横にいちごのマークがあったな。

今はランドセルをしょってないし、紺色のナイロンスクールバッグのワンポイントがいちご、ハイソックスのワンピースはいちご。

あたしは大のいちごが好きで、部屋のカーテンやカーペットも、いちごでいっぱいなの。

なんて考えている間に、学校に着く。


中学一年生の時、人見知りが激しいせいか、学校ではまともに声すらかけられないでいる。

しっかりしろ、あたし。

部活は手芸部だけど、部活でも人見知りが発生した。

そこで、声をかけてくれたのが、苺 市江《いちご いちえ》ちゃん。

あたしは、市江ちゃんと話していくうちに仲良くなった。

今でも、市江ちゃんと仲がいい。


市江ちゃんは、151、5センチとあたしより背が低い。

誕生日は、1月15日。

あたしがやっと15歳になれたのに、誕生日まであと日にちがある市江ちゃんは、まだ15歳になれていない。

あたしはお団子をいつもひとつにしているけど、市江ちゃんはいつもふたつにしている。


市江ちゃんの15歳の誕生日には、いちごののっているショートケーキを用意した。

「ありがとう‥‥毎」

「友達なんだから、これくらいいいの」


あたしは、市江ちゃんに過大なコンプレックスを抱えていた。

クラスの女子の中で一番高身長なあたしは男子の身長を抜かしてしまう程高いのに、市江ちゃんはクラスの男子より低い上に、クラスで一番低い。

市江ちゃんは一人暮らしできるのに、あたしは一人暮らしなんかさせてもらえず、5人家族で過ごしている。

市江ちゃんは一人っ子なのに、あたしは一人っ子じゃない。

市江ちゃんは学年トップの成績なのに、あたしは五位。

男子が投票するモテる女ベスト5で、市江ちゃんは一位なのに、あたしは五位。

あたしは市江ちゃんに勝てない。

あたしはどうしたら、市江ちゃんに勝てるのかな?

親友であると同時に、ライバルでもあった。

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