第5話
あたしはもっとママちゃまに愛してほしかったし、
自分を見てほしかったのです。
褒めてほしかったのです。
だけど、それが叶ったのは、小学一年生まで。
平仮名、片仮名を書けるようになって、簡単な足し算や引き算ができるようになったこと、
自分の名前を始めて、漢字で書けるようになったことを褒めてくれるママちゃまはいないのです。
姉のあいちゃまを可愛がるままちゃま、
血はつながっているけれど、本当の姉ではないあいちゃま。
せめて戻れるなら、小学一年生まで戻りたいのです。
あたしは、本当のママちゃまの背中まで長い髪に憧れて、小学一年生まで髪を背中まで伸ばしていたのですが、小学二年生の頃に髪を切ることになったのです。
男の子みたいなベリーショートカット。
そこで、あたしの中に黒いもやもやができたのです。
愛されたい。
満たされたい。
あたしを見てほしい。
褒めてほしい。
パパちゃまから教えてもらったのですが、本当のママちゃまは魔法の世界にいると聞かされたのです。
人間でありながら、魔法の才能があったらしいのです。
ママちゃまの属性は、無属性で、なかなかいない属性らしいのです。
「ママは帰ってくるの?」
「無属性は珍しい属性だから、そんな簡単に帰ってこられるかどうか。
研究者たちも、すごく飛びついているらしいからね」
「あたしも、魔法を持っていたりするのかな?」
「多分な。ママの子供なら、他人の魔法を奪って、自分の魔法にしちゃう能力ぐらいあるはずだ」
「ふうん、あたしも使えるならいつか使いたいな」
パパちゃまには魔法の才能はなかったらしいけど、
パパちゃまのいとこに魔法の才能があったらしく、
パパちゃまのいとこが、おじちゃまが家に来てくれた。
おじちゃまは炎属性で、いつも赤いチャイナ服を着ては、家に来てくれた。
パパのママちゃま、おばあちゃまからしてみれば、自分の甥っ子に当たるらしいのです。
よく、異世界では、魔法を教える師匠をやっているらしいのです。
パパちゃまは異世界のことを「魔法の世界」とか「魔法界」とか呼んでいたのです。
あたしは、赤もいいかなって思っていたけれど、白の方が好きだったのです。
本当のママちゃまが好きだったから。
それに、ママちゃまは地毛が茶髪だけど、パパちゃまは黒髪なので、
よく顔はママ似だけど、髪の色がパパ似と言われることはあったのです。
三毛猫と白猫を飼ったことがあって、三毛猫と白猫は小学一年生の頃に死んでしまったのです。
家中、白猫と三毛猫のグッズが多いとかあったけれど、
パパちゃまと本当のママちゃまが離婚してから、それはなくなったのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます