第3話
俺の名前は、てんし。
健全たる男子中学生だ。
俺は中卒で、働くことを夢見る。
何故なら、勉強が嫌いだからだ。
「その考え方、危険なのです」
「誰?」
目の前にいるのは、幼稚園ぐらいの背中まで髪が長い女の子と、
それよりも幼いセミロングの女の子と、
幼稚園ぐらいの男の子と、
ショートヘアーの赤ちゃんぐらいの子が、三毛猫の背中に乗っている。ベビーピンクのロンパースを着ているから、多分女の子だと思う。
「あたちは、さくら」
「猫が喋った!?」
「あたしは、佐倉桜なのです。
みんなからは『桜』と呼ばれているのです」
と、背中まで髪は長いが、茶髪で、毛先だけ髪が白い女の子が言った。
「猫と同じ名前!?
しかも、何で上と下、同じ名前?」
「あたいは、
みんなからは、咲良ちゃんと呼ばれているでござる」
と幼稚園にも満たないような、小さな女の子が自己紹介した。
「また名前かぶってる!?」
「おいらは、
櫻君と上の名前で呼ばれているですぞ」
と、男の子。
「せめて、さくらじゃないなら、下の名前なのろうよ」
「この子は、さくら様なのです」
「赤ちゃんなのに、様付け!?」
「エリザベスお嬢様の孫娘なのですから、偉大なのです」
「みんな同じさくらじゃどう読んでいいのかわからないし、見分けつかなさそうだよ」
すると、三毛猫の方が口を開いて、
「見分けぐらいつくようにしているにゃ。
ピンクのロンパースを着ているのが、さくら様。
魔法属性は、不明にゃ。
エリザベスお嬢様の孫だが、さくら様の両親は、まだ10代の高校生で、子育てとかできないから、こうして預けてるにゃ。
高校を卒業したら、この子を返さなくてならなくなるのは、複雑にゃ。
セミロングで緑のワンピースが、桜咲良ちゃんだにゃ。
桜保育園に通っているにゃ。
魔法属性は、草タイプにゃ。
あの男の子が、青の服を着てる櫻君だにゃ。
訳あって、自分の下の名前を名乗りたがらないのにゃ。これが、キラキラネームの末路にゃ。
魔法属性は、水にゃ。
桜幼稚園の年長だにゃ。
あの女の子が、佐倉桜。
同じく桜幼稚園の年長だにゃ。
背中までの茶色のロングヘアーと毛先だけの白は、髪を染めているからにゃ。
白の服を着てるにゃ。
魔法属性は、炎だにゃ。
あたちは、三毛猫のさくらだにゃ。
魔法属性は、三毛猫だにゃ。
桜保育園、桜幼稚園、桜高校を開設して、その先生をやっているのにゃ。
ということで、てんし」
「何で、俺の名前を知ってるの!?」
「あたちは、何でも知ってるのにゃ。
中卒で、働く気なら、桜高校に通うといいにゃ」
「どこまで知ってるの?
しかも、桜高校って何?」
「あたちも、よく知らないのにゃ」
「知らないんかい!?」
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