第2話A LITTLE MARRIAGE

高校2年の堀川大字ほりかわだいじ2学期の成績の悪さに頭を痛めていた。


「あんた2が多いね」


後ろに座ってる大西悦香おおにしえつかが皮肉る。


「そういうお前はどうなんだ?」


悦香は通信簿を開く。


3と4が交互に並び、5が2つもある。


「いいなあ、俺なんか2の中に3が3つだけだもんな」


悦香とは中学から同じクラスで腐れ縁である。


「大字は体育会系だから、推薦で入学しちゃえば?」


「簡単に言うなよ、うちの高校だけでも上には上がいるぞ」


大字はバスケ部のレギュラーである。


「そういうお前は大学とかどうすんだ?」


悦香は天井を仰ぎ


「お嫁にいっちゃおうかな?」


「お見合い結婚でもすんの?」


「あんたのお嫁さんにしてくれない?」


悦香をそういう対象で見たことがないとは言い難い。悦香はショートカットの結構イケテるルックスをしてる。


性格も素直だし、付き合いやすい。ならなぜ彼女にしないのか?


「うーん、悦香が嫁さんか……悪くないかも」


「ね、ね、結婚しようよ」


「逆求婚かよ?」


「大字は真面目だし、うちの親も賛成してくれるはず」


大字は身長179cm、ルックスは十人並だが、清潔感がある。


「なんか話が大きくなってきてるなあ、学生結婚するのか?」


「大字が18歳になったら結婚しちゃって、子供を沢山作ろう。野球のチームができるくらい」


「悦香は子供好きだもんな……保母さんになるの諦めんのか?」


「自分に子供が出来れば問題ないでしょ」



ということでその夜大字と悦香は同じ布団で枕を並べて寝てる。


大字は悦香を抱きしめた。華奢だが、骨格がしっかりとしてる。


都合のいいことに大字の両親は旅行中。


「抱きしめるだけでいいの?」


悦香は抱き返す。


2人の幸福な夜だった。



2023(R5)1/17(火)

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