婚外恋愛

@yuuuuuuuuuuuuuuuuuuuki

1話で終わり

部署が離れ、日常的な関係が薄くなっていく。


今までお互い同じ部署のスタッフとして出席していた会議も違う部署のスタッフとして参加となると、会議中に他者の発言に対して思うポイントもずれてくる。


彼女は喜怒哀楽を私にタイムリーにスラックしてくれてた。


それを会議中の発表資料に紛れて誤って表示させてしまったり、ひやひやするようなことも多々あったが、そのドキドキすら、つまらない会議を楽しくさせる私の癒しの瞬間になってた。


今は私ではない人と、実施してるみたいだ。

彼女の表情で分かってしまった。


そういえば。

彼女に思いを寄せる男性に言い寄られ、先週末飲みに行った。という話を聞いた。



その日は、私は部署の飲み会だった。


『飲み会終わりの私と一緒に帰りたいがための時間つぶし』


という理由をつけてくれていたが…。


結局彼女も3~4時間だったのか?

彼と二人で飲んだようで、帰りの待ち合わせには、いい具合に火照った状態の彼女が現れた。


私が彼女と居れたのは、会社の最寄り駅から互いの自宅までの移動電車の中

と、終着駅で散歩がてら今日のことを会話した小一時間。


週末のこの最後の時間を私に与えてくれたこと。

何かを確かめるようなキス。


この2つに私は安心はしたものの、お互い帰宅した後、普段はラインを送ってこない彼女が、寝る前に『自身への質問タイム』を持ってきたのが、今思えば何かを伝えたかったサインだったような気がして妙に引っかかった。


思いを寄せてた彼は、彼女と二人で飲むため、準備をしていたようで。


元々誰かを誘うつもりである旨、二人飲みではないことを共有していたのに、誰も誘えなかったという理由から、結局二人になった。

でも、きちんと2名でお店が予約されていたらしい。


そんな彼に、彼女も『彼としては頑張ってた。』と評したし『素直に楽しかった』と私に伝えてきた。


胸に少しのこる『もやっとした気持ち』。


それを聞いた私に募る焦りの気持ちはあれど、結局何ができるわけでもなく私は平静を装うしかなかった。


が、今頃になって思う疑念に私自身が辟易してしまう。


彼女と私の関係は常に揺らぐ。


忙しくなれば連絡頻度が減り、頻度が減れば、会う機会は減る。


そもそも彼女と私の関係がこじれる時は、彼女への思いが強い私が、冷静さを失い彼女を強く想いすぎてしまう時だ。


そのモードに入った私は、彼女に対して、ある種、素直さや冷静さを失ってしまい、、、


愛情表現が過分になり


認められよう、よく見られようと誇張した発言をしてしまったり、他者に対してマウントがとりたいがための矮小な情けない発言をしてしまう。


そんな自分も嫌いだし、そんな言動をする私に対して彼女も距離を取らざると得なくなる。


好きだから、素直でいられない。


そんな使い古された言葉が、今更ながら自分に当てはまってしまうことが無性に恥ずかしく、私自身も残念な精神状態になってしまう。


こざかしさはすぐに見透かされ、そのせいで発生した距離に焦り、彼女の気遣い、ちょっとしたことで異常に歓喜してしまい、ますます精神状態は崩壊するする。


そうなるとまた別の焦りが生まれる悪循環。


もうそのループは脱しよう。



今彼女は私に気が向いてない。

この時間に無理をしても意味がない。




でもふと想像してしまった。



このまま何も気にせず、広がった距離を放置し。


互いに、もはや近づけない戻れない距離にまで距離が広がった時、お互いにお互いの存在をどう思うのだろう。


過去の思い出すら、夢に感じるほど、お互いに掴めないような距離感になった時に、

なぜあんなに近づき合ったのか…と冷静に思い返した時、私をどう思うのだろうか。


私との関係は、反省の象徴で、ほだされて冷静さを失った過去の過ちと思うのか。


私が追いかけてくる前提で、私に距離をゆだねすぎた、猫のような自分を後悔するのか。


ただただ過ぎ去った甘酸っぱい思い出として、大切に心にしまい今後の人生のエッセンスにするのか。


彼女が描く私を想像したら、そんな終わり方もよい気がした。



何も伝えない、何も抗わない。

距離感の遠近は波の満ち引きのように。


いつのまにか波に乗せられた麦わら帽子が、いつの間にか、砂浜を離れ、遥か沖合に流れる様子。


ふと気づいたら沖合に浮かんていた麦わら帽子は、別の陸地にたどりつき。


元の場所も思い出せぬまま、また違う人に拾われる。


その時に私はどんな場所として思い出され、思われるのだろう。


また帰りたい場所なのか、思い出の中でおぼろげに覚えてる場所なのか。



その時が来たら、その時は素直に『私』という場所の真意を聞いてみよう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る