第7話【死の谷】探索開始なう!【着いた(*・ω・*)wkwk】5

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【死の谷】探索開始なう!【着いた(*・ω・*)wkwk】2


1:魔眼保持者

前スレ終わってたから新しく建てたわ

とりま、コレ見てくれ

つ【糸でぐるぐる巻きになった、繭のようなものが並べられ、あるいは積み重なっている画像】


2:名無しの冒険者

あ、魔眼保持者だ


3:名無しの冒険者

おかありー


4:名無しの冒険者

スレ立て乙


5:考察厨兼迷探偵

>>1

おk、だいたい察した

この繭みたいな中に、攫われた連中がいるってことでいいか?


6:魔眼保持者

ご明察!


7:名無しの冒険者

これ、どうやって助けだすの?

焼くの??


8:名無しの冒険者

>>7

そんなことしたら、中身も焼けちゃうだろ


9:魔眼保持者

地道に刃物で糸切って助けるしかないかなぁ

こんなこともあろうかと、短剣持ってきて正解だった


10:名無しの冒険者

ま、それが無難か


11:名無しの冒険者

短剣深く刺しすぎて、中の人が怪我しそう


12:魔眼保持者

>>11

ご心配には及ばないよ

魔眼で見透かせるから


13:名無しの冒険者

ちくしょーwww

使えないと思ってたのに、意外と便利だな魔眼www


14:名無しの冒険者

>>13

それな( ´-ω-)σ


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ユートは短剣を、繭へと突き刺した。

中にいる者に、怪我がないよう魔眼を使用する。

魔眼を使うと、発光する性質があるのでこんなこともあろうかと用意していた色眼鏡をかける。

文字通り、色の着いたメガネでユート自身が手を加えて魔眼使用時の光が漏れないようになっている魔法道具であった。

こんな便利な物があるなら、常日頃から装備していればいいじゃないかと言われそうだが、そうもいかない。

というのも、先述したようにこれは魔法道具である。

そんなものを常日頃から身につけているためには、学園側に正当な理由書を提出しなければならない。

馬鹿正直に、魔眼保持者なのでこのメガネをかけています、等とは言えない。

仮に他の理由をでっち上げたとしても、学園の生徒は優秀な者達ばかりだ。

どこかでボロが出るか、あるいは、メガネを取り上げられて調べられでもしたら終わりである。

だから、普段は部屋に設置されていた貴重品などを保管する金庫にしまってあった。


1つ目の繭から出てきたのは、他校の生徒だった。

2つ目、3つ目と、ユートは繭から他校の生徒たちを助け出していく。

なんとか全員を助け出す。

全部で20数名だった。

数えてる時間が惜しかったので、だいたいの数である。

全く別々の制服を着ている生徒達だ。

全員、意識は無かった。

ユートはメガネを外すと再び、掲示板へ視線を落とす。


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82:魔眼保持者

1つ目の小部屋に捕らわれてた連中はなんとか繭から出せた

これから、転移魔法で転移させる

悪いんだけど、デス・バレー入り口、レンジャー本部の座標知ってたら送ってくれ

観光客が出入りしてる方は避難する連中で、ごった返してからさ

あと、俺の携帯だとざっくりとした座標しかわからんから


83:特定班

ほいよー

つ【デス・バレーを管理してるレンジャー本部の座標】


84:名無しの冒険者

特定班も、こういう時便利だよなー(棒)


85:名無しの冒険者

(*´・ω・)(・ω・`*)ナ-


86:名無しの冒険者

いや、魔眼でわからんの??


87:魔眼保持者

なるべく、消耗を減らしたい

訓練受けてるとはいえ、疲れないわけじゃないんだ

それに、他の部屋に捕まってる奴らもいる

どれくらいの人数が捕まってるかは、今見た

他校の生徒、レンジャー含めてトータル百人前後ってとこか

こいつら全員、怪我させないように透視しつつ助け出すってのは、骨だ

簡単に見える作業ほど、神経使うからな

加えて、そこから転移魔法も使うからガチで疲れるんだよ

俺も逃げること考えておかないとだし

その分の体力と魔力を残しておかないと

なにしろ、さっきの遺跡で大蟻倒したじゃん?

アレで、それなりの魔力消費してるんだ


88:名無しの冒険者

なるほどなー


89:名無しの冒険者

えー、倒さないの??


90:魔眼保持者

>>89

万が一を考えてのことだ

さすがに、俺も命は惜しい

でも、最終的にこの巣をぶっ壊して、なおかつ転移する魔力と体力は残しておきたいってのも本音


91:名無しの冒険者

ふむふむ


92:名無しの冒険者

なるほどなるほど


93:考察厨兼迷探偵

巨大な巣をぶっ壊す程度の魔力はまだまだ残ってるってことか


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他の部屋も回り、ユートは順調に捕らわれた者たちを助け出していく。

中には何人か意識がある者もいた。

しかし、暗いのと意識があるといっても朦朧としていたので、ユートの顔は分からなかった。

魔法陣で転移させる時も、魔法陣特有の発光があってなお誰もユートの顔は視認できなかったはずである。

そんなこんなで、ユートは最後の部屋での作業を開始する。

そろそろ、蟻達の方も捕まえた餌が消えたことに気づき始めているようだ。

部屋の外が騒がしい。


ユートは手早く、生徒たちを助け出した。


「居ないなと思ったら、やっぱりか」


繭から助け出したのは、王立魔法学園の生徒達だった。

イーリスとその取り巻き達。

イーリスとは別グループだった、入口では見かけなかった生徒たち。

そして、エディとその護衛のルドルフ。

その全員を繭から助け出し、転移させようと魔法を展開させる。

魔法陣が淡く光りだす。

そして転移する直前、


「……っうぅ」


「……んっ」


小さな呻き声を漏らし、イーリスとエディが意識を取り戻した。

その二人の目に、黒衣を纏い、フードを目深に被った少年の姿が映る。

しかし、当の本人であるユートはその事に気づいていなかった。

なにしろ、気づく間もないうちにイーリス達は転移したのだから。

ユートは、捕らわれていた全員を救出することに成功した。

そして、また携帯端末を取り出して書き込みを行う。


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212:魔眼保持者

よし、とりあえず全員転移完了っと


213:名無しの冒険者

おう、お疲れ様


214:名無しの冒険者


215:名無しの冒険者

乙乙


216:名無しの冒険者

おつかれー


217:底辺冒険者

それじゃ、あとは巣の破壊でござるな


218:魔眼保持者

だな

どっかに女王蟻がいるとは思うが

他の働き蟻と一緒に、巣ごと魔法で潰せば死ぬだろ


219:名無しの冒険者

こんだけデカいと

殺虫剤どれくらいいるんだろうな


220:名無しの冒険者

そもそもモンスターに殺虫剤って効くんだろうか?


221:底辺冒険者

>>220

農業ギルドで専用の殺虫剤販売されてるでござるよ


222:名無しの冒険者

マジか、あるんだ∑(°口°๑)


223:魔眼保持者

へぇ、そんなのあるんだ

でも、業務用でそれなりの数必要ってことだろ

今から買いに行くのは無理だなぁ


224:考察厨兼迷探偵

いや、買いに行けたとしても

それだけ大量の殺虫剤購入したら、足が着くだろ

魔眼保持者、身バレする確率上がるぞ


225:名無しの冒険者

たしかにwww


226:名無しの冒険者

ただの学生が、家庭菜園で使う以上の数の殺虫剤買ったら

色々怪しまれそうwww


227:魔眼保持者

言われてみれば、たしかにwww


228:名無しの冒険者

なーなー、スレ主

どんな魔法使うの??


229:名無しの冒険者

あれかな?

遺跡破壊した広域破壊魔法??


230:魔眼保持者

へ(゜∀゜へ)フッフッフッ

俺達魔眼保持者が、なんで兵器扱いされてるか

見せてやるよ

まずは、外に出てっと

終わったら動画上げに来るから、ちょい待ってろ


231:名無しの冒険者

なんだなんだ

何をする気なんだ??


232:名無しの冒険者

(0゜・∀・)ワクワクテカテカ


233:名無しの冒険者

+   +

  ∧_∧ ∩ +

 (0゜´∀`)彡  wktk!wktk!

 (0゜∪⊂彡 +

 と__)__) +



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餌が逃げ出し、大騒ぎになりつつある巣を出る。

それから、携帯端末の撮影用の台座を少し離れた位置に設置する。

入れておいたアプリを起動し、録画を開始する。

巣、全体が入るように気をつける。

ついでに何が起きても壊れないように、強化しておく。


「よし、じゃ、始めるかな」


楽しそうにユートは呟くと、巨大な巣、蟻塚を振り返った。

巨大蟻の方も、ユートに気づいたようで殺気を向け襲いかかってきた。

でも、ユートは慌てない。

騒がない。

逃げ出さない。

ただただ、楽しそうに口角を上げる。

そして、人差し指をすぅっと横に滑らせた。

それだけ、たったそれだけで、巨大な蟻塚を膨大な魔法陣が取り囲んだ。


「ファイヤッ!!」


ユートの力ある言葉とともに、膨大な魔法陣から一斉に攻撃魔法が発動し、蟻塚へ降り注いだ。

発動する魔法はそれぞれ別々の属性である。

火、水、風、地、雷、暗黒。

回復や治癒、解呪以外の現存し、ユートが知りうる限りの攻撃魔法だ。

それらを蟻塚へ叩きつけたのである。

威力は最大にしてある。


そのため、何が起こったかというと、大爆発だった。


「よしよし、映える動画はとれたかなっと」


爆風にさらされるが、防御魔法を展開していたのでユートにダメージはない。

しかし、さすがに息が少々上がっている。

ユートは、設置していた携帯端末を回収すると録画を止め、動画がちゃんと撮影されているか確認する。


「よしよし、綺麗に撮れてる」


上機嫌で、携帯端末をしまう。

その時だった。

爆煙の中から、攻撃魔法が真っ直ぐユートに向かって放たれた。

しかし、防御魔法がそれを弾く。


「っち、生き残りか」


アレだけの攻撃を食らっても、なお生きている個体が居たようだ。

魔眼を使い、いったい何匹生き残っているのか確かめる。

しかし、その間にも次々と攻撃が襲ってきた。

ユートは、それらを回避する。


「生き残りは、女王蟻か!!」


どうやら、巣を壊されたことでだいぶお怒りのようだ。

ユートは、魔法で身体を強化しジャンプした。

爆煙を突き抜け、空へと舞い上がる。

その時、突風が吹き抜け煙を晴らした。

見えるのは、羽根が生えた巨大な女王蟻だ。

ユートは、自由落下しつつそのまま魔法陣を描いた。


雷神の槌いかずち 振り下ろすは 愚かなる昼の子なり」


呪文を早口で、しかし、正確に唱える。


「【天罰の光パニッシュメント】ぉおおおお!!!!」


力ある言葉とともに、雷が真っ直ぐ女王蟻へと降り注ぐ。

それは、女王蟻を貫き、黒焦げにしてしまった。

女王蟻が、力なく倒れる。

ズズんっと、その衝撃で地面が揺れた。


危なげなく、ユートは着地した。

直後、バラバラバラとプロペラ音が聞こえてきた。

見上げると、遠くに軍隊のヘリがこちらに向かって飛んでくる所だった。

ユートは転移魔法を展開させ、その場から去る。

あとには、巨大な蟻塚の残骸と、押しつぶされた巨大蟻の死骸、そして真っ黒焦げの女王蟻の死骸が残された。


■■■


434:名無しの冒険者

テレビでも報道始まったな


435:特定班

軍に、巨大蟻【神様】の駆除要請出たっぽい

いま、現地に向かってる最中じゃないかな


436:名無しの冒険者

なあ!!なあ!!

コレ見てくれ!!

つ【デス・バレーにて観光客が、避難中のバスの中から撮影した動画】


437:名無しの冒険者

わお(。・о・。)


438:名無しの冒険者

めっちゃ沢山の、魔法陣、か?

これ??


439:底辺冒険者

魔眼保持者氏でござるな


440:名無しの冒険者

また派手にやったなぁ、魔眼保持者


441:名無しの冒険者

え、待て待て待て

ちょい待て

こんな大量の魔法陣を個人が、それも同時多発的に描けるわけないだろ


442:考察厨兼迷探偵

まぁ、普通はそう思うよなぁ


443:魔眼保持者

それが出来ちゃうのが、魔眼保持者なのだよwww


444:名無しの冒険者

あ!

スレ主!!


445:魔眼保持者

ほいよ、土産だ

つ【近距離で撮影された、蟻塚破壊の動画。魔眼保持者が大量の魔法陣を描き出し、発動する一部始終がしっかり映っている】


446:名無しの冒険者

うっそやろ


447:名無しの冒険者

マジか

((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル


448:魔眼保持者

なんで、俺たち魔眼保持者が兵器扱いされ

また、忌み嫌われてるか、化け物扱いされてるかわかるだろ?

こういうことが出来ちゃうからなんだよ


449:名無しの冒険者

まぁ、怖がられるよな


450:名無しの冒険者

暴走したら国が滅ぶってのも納得だわ


451:魔眼保持者

恐れ敬ってもいいんだぜ?


452:名無しの冒険者

クソうぜぇwww


453:魔眼保持者

ちなみに、この後生き残った女王蟻が出てきたから

天罰の光パニッシュメント

食らわせて倒してきた


454:名無しの冒険者

は?


455:名無しの冒険者

( ゜д゜)


456:名無しの冒険者

( ゜д゜)


457:名無しの冒険者

( ゜д゜)


458:名無しの冒険者

(°д°)


459:名無しの冒険者

>>458

こっち見んなwww


460:名無しの冒険者

えっ、待ってよ

天罰の光パニッシュメント】って、第三次世界大戦の時に開発された魔法じゃん

数十人掛で術式組んで発動する、史上最凶最悪の殺戮魔法じゃん

一人で使えるわけがないよ

((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル


461:底辺冒険者

>>460

ガチレスすると

それが出来るのが【魔眼保持者】という存在なんでござるよ


462:名無しの冒険者

つーか、【天罰の光パニッシュメント】使った時のは動画とってないん??


463:魔眼保持者

あっ、( ゜д゜)

しまったァァァ!!!!

忘れてたぁぁあ!!??

il||li _| ̄|○ il||li


464:底辺冒険者

もう、うっかりさんでござるなwww

魔眼保持者氏www

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