こんなの、読んできてたんだ。
奈那美
アラジンと40人のとうぞく
おそらく小学校低学年。
記憶にある限り『初めて買ってもらった、絵本ではない本』だと思います。
親が金銭的に余裕がなかった幼少期、絵本もあまり持ってなかったんじゃないかな?
白雪姫とシンデレラは紙芝居で持っていた気がしますが。
あと母親の証言によると、『毎晩寝るときに読んであげてた絵本を、一言一句間違えずに覚えていた』らしいので「母をたずねて三千里」の絵本はあったようです。
寝ながら聞いて憶える……睡眠学習かい(汗)
そんなある日、父親の用事について商店街(市内で一番大きいとこ)に行きました。
多分『イイコ』で用事が済むのを待ってたからか、なにかごほうびを買ってくれようと思ったのでしょう。
父親から渡されたのは、なにかが入った袋でした。
お誕生日のとき以外に何か買ってもらうということがなかった私はうれしさいっぱい。
何が入っているのか気になってしかたがありませんでしたが、帰宅するまで待つように言われ、必死に我慢しました。
おかげでバスで帰ったのか、歩いて帰ったのかも記憶してません。
帰宅後、袋から出すとそこには『アリババと40人のとうぞく』の文字が。
「読んでいいの?」
「いいよ」
早速読み始め、あっという間に夢中になってました。
それまではお姫様の話とか、アヒルの子とか、そんな話しか知らなかったのに「ひらけゴマ!」ですよ。
ファンタジーからダークサイドに足を踏み入れてしまいました。
それこそ魔法使いではなく普通の人であろうアリババやとうぞくが『まほうの呪文』をとなえると岩が動くんですよ。
それはもう、一気読みでした。
呪文を唱えたら、私でも動くのかな?と本気で信じていたのは、ナイショです。
そうして……一気に読んだ疲れからか、その夜偏頭痛を起こしました。
鳥が卵から孵ったときに最初に見たものを親と勘違いすることを「刷り込み」というらしいですが、私にとっての「刷り込み」はこの本だと思っています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます