一番の魅力はなんといっても主人公『シャルル』のキャラクター。
ひたすら女性に優しく、甘いセリフを吐く。
シャルルのセリフが実によく練られていて、詩的である。笑いながら感心してしまうこともしばしば。
主人公は登場回数がもっとも多いのだから、魅力的だとシンプルに読む楽しさにつながる。
それに彼は色男というだけではなく、本当に女性に優しいのだ。
それから転生させる神々(複数いる)の勝手さが面白い。
だが笑えるだけではなく、神の意思を受けるか受けないかが、物語の重要な伏線になっている。
主人公を筆頭に魅力的な人々(神含む)が活躍する異世界転移ストーリー、ぜひ楽しんでください!
導入時点から主人公がどんな人物なのかを認識させてくれる素晴らしい入りです!
女性に対しては決して動揺や怒りを見せない生き様に対して、神様への激昂と言葉選びのセンスがズバ抜けています。
さらにふいに登場する居酒屋の名前も強すぎるという畳みかけ等、作者様の筆力の高さとの相乗効果が抜群な相性を見せてくれます!
コメディ調ですが、主人公の目的が一点に集約されていることで緊迫感の演出も果たしているため、物語が絶妙な具合でバランスが取られています。
何よりも、主人公のトークがキザな台詞を連発するのですが、目的のためには自身を省みず立ち向かう熱意も持っているため、ただただかっこいい主人公としてその姿を見せてくれます!
一番の問題点は俗に塗れた神様だというところでしょうか、主人公の気苦労に寄り添いたくなる気持ちを自然と沸き立たせてくれます。そういう意味では神様の存在も助演として優秀ですが・・・。
この作品に綴られるセリフは見様見真似でできるものではなく、作者様が磨いてきた才能を惜しみなく注いでくれたことを感じる名作です。
主人公と共にかっこいいとはどういうことか、体験してみてはいかがでしょうか!