おこそずきんちゃん

伽藍 朱

第一章 さみしい魂 ー銀作編ー

◇◇第一章 登場人物・用語集◇◇

【登場人物】


銀作ぎんさく

……マタギの青年。生まれつき霊や妖怪の類を見ることができる。無口で不愛想。


鉄五郎てつごろう

……銀作の祖父。狩猟隊レッチュウ頭領シカリを務める。厳格な老マタギ。


金五郎きんごろう

……銀作の父。大柄で熊のような見た目。明るく豪放磊落。


セツ

……銀作の母。銀作が幼い頃に病で亡くなっている。


数馬かずま

……銀作の幼馴染で、マタギ見習い(コマタギ)の青年。大柄だが気が優しく、やや神経質なところがある。


玄馬げんま

……数馬の父。冷静沈着な知恵者で、狩猟隊の面々からの信頼も厚い。銀作の父・金五郎とは幼馴染で親友同士。一時期、手習い所の師範を務めていたことがある。


日輪ひわ

……働き者で気立てが良い小町娘。銀作や数馬とは同じ手習い所で学んだ仲。


陽蔵ようぞう

……ベテランマタギ。勢子頭せこがしらを務める。日輪ひわの祖父。


栄助えいすけ

……銀作より少し年上の先輩マタギ。気さくで面倒見が良い。


佐平さへい

……マタギ。正義感が強く熱い性格。


仁太じんた

……マタギ。小柄だが人一倍体力があり、獲物をどこまでも追跡する粘り強さを持つ。




【用語】


マタギ

……主に東北地方に住む、猟師の集団。独自の信仰を持つ。その歴史は平安時代ごろまで遡るといわれている。


レッチュウ

……狩猟隊。各レッチュウは頭領の名をとって「○○組」と呼ばれ区別されることが多い。


シカリ

……狩猟隊の頭領。狩猟隊で最も実力のある者が務める。


巻き狩り

……マタギが行う集団猟。シカリの指示のもと、射手と勢子に分かれて熊を追い詰めて狩る。


ブッパ

……射手。またはその配置。熊の習性を考えた際に、最も熊と対峙しやすい順に、「一の射手ブッパ」「二の射手」「三の射手」と設定されることが多い。


勢子せこ

……巻き狩りの際に、熊を発見し、追い立て、射手の所へ誘導する役。非常に重要なポジションであるため、シカリに次ぐ実力者が勢子頭を務めることが多い。


コマタギ

……マタギ見習い。


山神様

……マタギが信奉する山の神。一説には、嫉妬深く気性の荒い、醜い女神であると伝えられている。


ケボカイ

……獲物の解体の儀式。獲物の霊を慰め、次の豊猟を願う。


モチグシ

……猟で獲れた肉を山神様に備え、感謝を捧げる儀式。


水垢離みずごり

……みそぎ。川の水を体にかけて穢れを払う。


マタギ言葉

……マタギが山でのみ使う隠語。神聖な狩座に日常の穢れを持ち込まないために用いる。また、仲間同士の連帯感を強める働きもある。

 マタギ言葉の例としては、イタズ(熊)、ケラ(カモシカ)、シロビレ(鉄砲)、タタク(撃つ)などがあるが、地域により異なる。

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