体験談5ー月俣歩夢氏ー
黒い影、夢のような現実。
最近そういう現象があるのは知ってるよ。私も起きてる時に一度、現象にあったから。
何を見たか?私としてはたいして気にならなかったんだよ。普段からそんな世界にいるからね。
まあでも、あの現象はちょいリアリティが強いかな。普通の人なら混乱しちゃうだろうな。
君にとっては普遍的だろうけど、教えてくれないかって?資料にまとめたいから?
あー、わかったよ協力する。でも、しばらくしたら仕事しなきゃだから手短に行こう。
現象にあった時、私は横浜に行く用事があったの。
何処って?ただの墓参り。母親のね。
まあそんなことはいいよ。それで、墓参りを終えて横浜駅に向かって歩いていたんだけど、その時に空気が変わったのがわかった。
感覚は、夢に落ちる時とはちょっと違うかな。似たようなものではあるけどね。
まあ、慣れっこだからあたり見渡しながら普通に歩いていたら海岸に軍艦が見えたんだよ。
多分あれは黒船だったのかな?多分そう。付近も江戸時代みたいな景観になってたし。
黒船が進んでいくのを見ていたら私の左の方に何かいるのがわかったんだ。
左を向いたら黒い影が手を振っていた。振り返そうとしたけど、何かありそうだと思ってやめた。
そうしたら影は手を振るのをやめて手を差し出してきたの。
私はゆっくり近づいて影の手を握ると頭の中に声が響いたんだ。
「君はここから帰りたくないのかい」ってね。私は「帰ろうと思えば帰れる」って返したわ。
影は顔を斜めに倒して、「君は何者」って聞くものだから、「夢を自由に歩き回ることができる特異体質の人間よ」って言ったの。別に事実だし、嘘つく理由もないでしょ?
それで、私がそう言ったら影は口ごもってしまったから、私の方から質問したの。
「貴方はこの現象を起こしてる存在なのかしら?」
そう聞いたら影は首を振って違うと言って、続けて「この現象を起こしているのは別の存在。そいつとは仲が悪い。だから邪魔してる」って答えてくれた。私は続けてその存在とは何者かを質問したけど、答えてはくれなかった。
しばらく質問してみたけど成果が得られそうもなかったから、さようならとだけ言ってその場から帰ってきたの。
これが私の体験談。現象を解決する手掛かりになったら幸いね。
それじゃあ仕事に向かうからさようなら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます