あおしの閑話 恋人いるって本当ですか? 1
うちの学校には、最強の美女が三人いる。
まぁ、内一人は今回は出てこないので説明は省くけど、後、二人は今回の関係者なので、少し話したいと思う。
最強なのに三人もいるって言うのは、まぁしょうがない。
美女にもタイプがあるからな?と俺は勝手に解釈している。
話がそれた、まぁ美女の一人目はこの学校の二年生、
まん丸な大きな目が無茶苦茶可愛いと評判らしい。
運動神経は良い方なのだか何故かうちのサッカー部のマネージャーをやってくれている。
一応俺、
まぁ仲は良いけど別にねぇ今更、恋は恋愛対象にはならないかな?
と言うよりは恋が近くにいすぎるせいで俺の周りにあまり女の子は近寄らない気がする。これでも顔だって悪い方じゃ無いし成績もそこそこ悪くもないサッカー部のキャプテンだし…って、そんな話はどうでも良い。まぁ俺にとっては恋は恋愛対象では無いって話だ。
それより重要なのは2人目の美女の方、黒髪ロングの超美人我が校のマドンナ現国教師の忍野たえ先生なのだ。
一年の時に赴任して来た忍野たえ先生、通称たえちゃん先生彼女を見た時まじでヤバイと思った。
黒髪ロングと良い優しそうな笑顔といい、しっかりしてるんだけど、どこか頼りなくて支えてあげたくなると言うか。
とにかく可愛いし美人!!あー何か俺駄目だぁ。まぁ聞いてのとおり俺はたえちゃん先生に一目惚れしてしまった。
そんな、俺の耳に聞きたくも無い噂話が聞こえてくる。大体、予想がつくだろ?そう、たえちゃん先生に彼氏が出来たって噂。
糞下らない、いつもの与太話かよ?と思いたかったのだけど、どうも今回は少し違う様な気がする。妙に具体的過ぎるのだ。
二月末の週明けから、たえちゃん先生が妙に浮わついてるとか?冗談で彼氏とかいるんですか?って聞いたら顔を真っ赤にして
「すみません、用があるので行きますね!!」とか言って足早に行ってしまったとか?
週末になるとスマホをいじる回数が何時もより増えるとか。ちなみに、最後の情報はたえちゃん先生の隣の席のおばさん先生の小宮先生からの情報だったりする。
そんな情報に一人イライラしたり溜め息つきながら何故か幼馴染みの恋に付き合わされて、せっかくの休みにショッピングモールに来ている。
「あーねみぃー」
でっかい生欠伸をしながら腕をボリボリ掻いていると恋に背中を思い切り叩かれた。
「痛いなっ!!何しやがる!?」
睨み付けると怒り顔の恋がいる。
「シャキッとしろ!!内山理央!!」
「うっせえなぁ、せっかくの部活の休みに、わざわざついてきてやってる幼馴染みに何をするんだ、まったく」
「いい加減、スト起こすぞ!!」
こいつは昔から俺に対して容赦が無い。
「ストでも何でも起こして見たらー!!どうせ、昨日の先生の噂気にしてるんでしょ?リオ」
「うっさいな、お前には関係無いだろ?」
「横でうじうじされてるのが、イラつくのよ!!何があぁ、たえちゃん先生ーよ!!」
そんな俺の背中を恋は俺の背中をおす、俺よりも20cm程背が低い癖になんて力だ。
「うっせえなぁ馬鹿力!!試合も近づいてるのに怪我したらどうすんだ責任取れよー!!」こう話している間も恋は背中をおしている。
「はいはい責任ねー取ってあげましょうかー」こいつは取りもしない癖に。
GWちょっと後のショッピングモールは、何時もの土日に比べて少しだけ人が少ない気がする。
恋は春夏秋冬と四季に各一回位、俺を連れ回して服を見に来るのだ。
いい加減、彼氏でも作ってそいつにでも付き合わせろと言った事があるが一言「馬鹿じゃないの?」言われてしまった。
まぁ、俺が近くにいるせいで彼氏が出来無いってのは解っているのだが……こっちだって、それは同じ事何だからな。
吹き抜けになっている二階建てのフロアーを恋に押されて進む俺、凄く間抜けだ。
「おい恋、いい加減に……」しろと言う前に急に押すのを止められて倒れそうになる。
止めろと言って止めたのに理不尽だなと思いつつも文句を言おうと恋の方を見ると恋は一点を見て考え込んでいる。
「リオ、向こう行こっ!!」
慌てて押してくる恋に違和感を覚えて、
「何だよ急に」
「何でもない、今は止めとこっ!!」
イラつきながら恋を、押し退けて先を見る。
「何だよ一体……あれ?たえちゃん先生?」
吹き抜けのフロアーの反対側に妙に目を引くカップルがいる。
一人は、たえちゃん先生?…カジュアルなパンツスーツにニットのトップス相変わらず綺麗なんだけど、一緒にいるのは……誰だ?
黒のスキニージーンズに黒のシャツ、身長……は俺よりも少し高いか?っていうか、少し癖毛の髪型で切れ長の目で、鼻梁の整った……無茶苦茶イケメンだな?どごぞの俳優かアイドルか?
それに、たえちゃん先生の笑顔。
腕にしがみつく様にじゃれ合う様に……。
凄く悔しいけど……。
「まこと、あれは……」言いかけて恋を止めた。
「あぁ言われなくたってわかるよ」
あれは恋する人の笑顔だ…。
自分が見る事が出来ないだろう顔だ。
正直びっくりした、あの男と一緒にいる時の先生の顔はあんなにも嬉しそうで表情豊かで無防備で……。
「ねぇ、リオ大丈夫?」
恋が心配そうに顔を覗きこんで来た。
いつもは、馬鹿な事をして笑い合っているけど、本当に辛い時には、隣にいてくれるよな…だけど。
「悪いな恋、今日はちょっと体調が悪いみたいだから帰るな」
恋に、ひきつった様な笑い顔を見せて手を降って帰ろうとする。振り返って行こうとする腕に重みを感じる。
「待って!!私も帰る!!」
恋が俺の腕にすがり付いていた。心配そうな顔その可愛い顔に少し涙が浮かんでいる。
でも悪いな……。
「ごめんな恋、今は一人にしてくれないか?」
優しくすがり付いた手をほどくと一人で歩いていく。
「理央の馬鹿!!そんな辛そうな顔してるのに一人でいないでよ!!」
俺は少し足を止める。
でも振り返らないでもう一度、
「悪いな恋、頼むから一人にしてくれ」
そう言うとゆっくり歩きだした。
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