トラックにぶつかりそうだった女子高生を助けたニートの僕、女神に棒を渡され好きに使えと言われたので【ニート】を【チート】に変えました~チートスキルでやりたい放題の異世界生活を満喫します!
第1話 女神に入れていいと言われたので入れた
トラックにぶつかりそうだった女子高生を助けたニートの僕、女神に棒を渡され好きに使えと言われたので【ニート】を【チート】に変えました~チートスキルでやりたい放題の異世界生活を満喫します!
にこん
第1話 女神に入れていいと言われたので入れた
今日のコンビニバイトのシフトが終わった。
「おつかれーおっさん」
そう労ってくるのはまだ20代くらいのコンビニの店長。
アルバイトの学生と仲良さそうに談笑しながら、俺を見て言ってくる。
「あ、明日シフト変わったんで、1時間早く来てくれる?」
「い、いきなりですね」
まぁ、いいけど。
俺は高校卒業からずっとニートで、今回は社会復帰の短期バイトとしてここに雇ってもらっていた。
お互い気持ちよく別れたいものである。
「いやー悪いねー。人手足りなくってさ。それに稼ぎたいでしょ?」
そう言ってくる店長に俺は何も言わずに外に出た。
今日は急いで帰る用事があったんだ。
(Vtuberのシャークちゃんのクリスマスイブ配信があるんだ)
閉店間際のスーパーに駆け寄って、セールの弁当を買う。
そのために手を伸ばすとBB、お姉さんと手が当たってしまった。
「私が先に取ろうとしてた!ぷん!」
なぜか一方的にキレられて弁当を持っていくお姉さん。
(おいおい、まじかよ)
残されたのは定価のパンなどだけだった。
それを握りしめて俺は会計を済ますと家に帰ろうとしたが憂鬱になる。
(はぁ、なんでこうなったんだろうな)
俺が悪いんだろうけどさ、小中とそれなりの成績で来たと思ったんだ俺は。
でもそれに慢心して高校ではほとんど勉強することなく、なんとか卒業といった感じだった。
それで現実を思い知らされた。
しょせん、これが俺の実力なんだってさ。
でも今から人生逆転なんてことありえるはずもないしそんなことを目指すつもりもない俺はズルズルとこうやって30代までくだらない人生を送っていた。
そんな人生を忘れさせてくれるのがシャークちゃんだった。
俺だけのVtuberだと思ってる。
視聴者数なんて常時一桁くらいで俺が入る度に可愛い声で喜んでくれて、俺の事を常連扱いしてくれていた。
女の子と会話なんてほとんどしたこと無かったし名前なんて呼ばれたこともなかっ た。
そんな俺だから、名前を呼んでくれる度に俺は舞い上がっていた。
ぶっちゃけ、実質俺の彼女だよ。
(はぁ……さむ。今日は結構雪降ってるよな)
そんな帰り道。
女子高生と一緒に信号待ちしていた。
女子高生はイヤホンを耳にしてスマホをポチポチしている。
そのときだった。
ブッブーーーー!!!!!
鳴り響くクラクション。
その方を見るとトラックが迫ってきていた。
この積雪だ。スリップしたのだろう。
このタイミングだと俺は避けれるが、女子高生のことを思い出した。
「くそっ!」
スマホに夢中で見ていなかったので押した。
ドン!
「きゃっ!」
女子高生の悲鳴。
次の瞬間俺を襲う衝撃。
「い、生きてるかー!!!」
朦朧とした視界の中最後に見えるのが、運転手のおっさんの顔だった。
シャークちゃん……ごめんよ。
先に逝くわ……。
◇
俺の目の前に白い服を着た天使のような女が立っていた。
「おはようございます。突然ですがあなたは死にました」
「あっ、そうですか。なんで死んだのでしょう?」
「はい。それはですね。トラックと接触しそうになっている女子高生を助けて代わりに死んでしまったのです」
「南無阿弥陀仏ですなぁ」
「そうですなぁ」
「あっはっは」
他人事のように笑っていた。
どうせ、悪い夢かなんかだろうと思っていてから。
「で、この夢はいつ覚めるのだろうか」
「え?覚める事はございません」
そう言って説明を進めて行く女神様。
「これよりあなたには次の生を送っていただきます」
ん???????
「はぁぁあぁぁぁあ?!!!!次の生?!」
「はい。なにか問題が?」
「ございまするぅぅぅぅぅぅ!!!明日はVtuberのシャークちゃんのクリスマス配信だったんだシャーーー!!!」
そこまで言って察したのか魔法でモニターを目の前に出してきた女。
そこには下界の様子が映っているようだったが
「そんな……シャークちゃん……」
「そのVtuber?というものは今こうして配信をしておらず、彼氏と遊んでおりますよ」
「ふざけるなぁあぁあ!!!!!バカヤロー!!!!」
バキャリ!
モニターを砕いた。
このクソ女……俺が必死こいてバイトして稼いだ金でスパチャしてやったのに、彼氏とのデートに溶かしやがったな?
5万円で他人のイチャラブタイム見せられる俺はなんなの?
それにしても、裏切りやがってクソ女が。
fu○k you! bit〇h!
「へへっ、目が覚めたよ女神様」
「良かったです。ところで転生に関してなのですが、いくつか注意事項がありまして、転生先では転生前の人生の影響を受けるのですよ」
「そうなんだな、具体的には?」
「あなたは生前ニートでしたね」
「はい」
「そのニートを転生先でも受け継いでしまうのですよ」
「なるほど分からん」
「つまりですね。転生してもあなたのスキルはニートなのです」
「なんですと?!」
そこで女神様は哀れそうに俺を見ながら、転生先の俺のステータスを表示してきた。
スキル:ニート
「かわいそうですよね?Vtuberには裏切られて転生先でもニートスキルを授かるなんて、ですがご安心を」
そう言って女神様は俺に変な棒を渡してくると、椅子を呼び出してそれに座ると開脚してきた。
「そんなかわいそうなあなたですから、その棒で少しばかりいたずらさせてあげますよ?♡」
「まじで?」
「まじです。棒を挿せるのは一度だけ。じっくり味わってくださいな♡」
俺は浮かび上がるニートという文字を見ていた。
スキル:ニート。
ニートってどんなスキルだよってめちゃくちゃ気になるけど、俺はそんなスキル欲しくない。
そう思った俺は決心して女神ではなく、文字の方に近付いていった。
その文字を触ってみる。
ちゃんと触れるようだな。
それに少しぐにゃぐにゃしている。
「な、何を?」
怪訝な顔で見つめてくる女神に答える。
「この棒、好きに使っていいんだよな?」
確認を取ってから俺はニートのニの文字、その下から棒を突き入れていった。
最後に文字を整える。
空中に浮かび上がった文字のニがチへと変化した。
そしてそこに現れたのは
スキル:チート
「これ向こうの、転生先でも反映される?」
開脚している間抜けな女神様に聞いてみると頷いてきた。
「は、はい。できますが」
じゃ、これでいいや。
「わ、私にこんな格好させておいて何もしないのですか?!」
「勝手にあんたがしたんだろ?」
そう答えて戻ると椅子に座り直す女神。
「じゃ、スキルチートでよろしくお願いします」
頭を下げておく。
「わ、私よりスキルを取ると?」
そう聞いてくる女神に返す。
「それ、俺以外にもやってんだろ?じゃあ別にいいよ」
そう言って俺は次を促す。
「さ、そろそろ転生させてくれよ」
「いいでしょう。はい、転生!」
女神がそう言った瞬間俺の体は光に包まれた。
チートスキルか、楽しみだなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます