学校デスゲーム

痩せたウマヅラ

1日目 1時間目

 「なんで盆休みだってんのに、学校に呼び出されなきゃいけないんだよ。俺たちはよお」


 「このクラスの中で誰かがやらかしたんじゃないんじゃない?」

 

 「やらかすって何をだよ」


 「んなもん知らねーよ、自分で考えろよwww」


 「あ、俺思いついた。俺らのクラス学力こぞって低いから呼び出されたんだぜ、多分そうだ。」


 今日僕たち、3組はもうすぐ盆休みなのに学校に呼び出された。僕たちの学校は田舎にあって、盆休みだけど用事はみんなないらしい。クラスメイトは全員出席していた。様子を見ると誰も呼び出された理由は知らないらしい。当然僕も知らない。


 「ヒカルー、今日俺たちが呼び出された理由知ってる?」


 「やめてくれよ、ツカ。僕は気の利いた返しなんてできないよ。」


 ツカは僕の幼馴染だ。小さいころから家が近いのもあってよく一緒に遊んだ。


 「いや、そもそも面白いことなんて期待してないよ。ヒカルには、単純に聞いてみただけだよ………あっ」


 「いいよ、おもんない奴だってのは事実なんだし。」


 「ごめんよお」


 「全然気にしてないから…マジで」


 「なんか、申し訳ないな…、そうだヒカルには特別におし」


         ブー、ブー、ブー 


突然ケータイが鳴った。僕のだけじゃないクラスみんなのケータイが。


 「なんだ、なんだ!?」


 クラスの誰かが騒いでいるのは、もう気にする余裕もなかった。クラスのグループチャットに知らない人から送りつけられた動画を目にした僕たちには。


 「たのしいげーむのしょうかい」


送られてきた動画のタイトルは不気味なものだった。


 「なんだよこれ、誰だよ送ったやつwwwしかもユーザー名unknownって。手ぇ混みすぎだろ」


 「みんな、落ち着いて! コンピュータウイルスとか入ってるかもしれないから、開かないように。先生が来るのを待ってから対応しよう」


 「委員長、こんぴゅーたウイルスだろ。知ってるぜ前授業で習った危ない奴だろ」


 すごい。クラスのヤンキーたちもいうことを聞いてる。委員長はやっぱりさすがだなあ、クラスが一気に落ち着いた。


 「あ、ごめん。僕もう開いちゃった。」


 「えっ?」

 

 そう、まさかのツカが既に動画をダウンロードしていた。


 「じゃじゃあ、しょうがないな。一応みんなで確認しようか。ほら、動画の内容を」


 「結局委員長も動画見たいんじゃねーのかよwww」


 「じゃあ、視聴開始するよ」


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 「ぱっぱぱーん。ようこそたのしいげーむへ!」


その奇妙な動画は似合わない陽気な雰囲気をまとって始まった。


 「じゃあ、げーむの紹介をするね。3組のみんなには人狼ゲームをしてもらいます。人狼は私がやりまーす。あ、そうそう、僕はこのクラスの人間だよ?だから3組のみんなには俺を見つけてほしいんだ。期限は1週間。人狼を見つけるまで家に帰るのも禁止!一日に一回、18時に人狼だと思う人をみんなで選んで殺してね。逆に真夜中になるとうちが一人殺すね。げーむが終わるのは1週間たつか、人狼が死んだら終わりだよ。あと、食料は家庭科室に用意したから計画的に使ってね。最後に間違っても助けを呼んだり逃げたりしないこと!みんなどうなるかわかんないからね。じゃあご健闘を~」


不気味なゲーム紹介、何度も出てくる死とか殺すとかいう単語、明らかに常人でない話し方。僕もおそらくクラスのみんなも、困惑と恐怖と一握りの好奇心で息も忘れてツカのスマホの画面にくぎ付けになっていた。


誰一人口を開くまえに、「人狼」が話し出した。僕たちはおそらく今までの、そしてこれからの人生で一番大きな衝撃を受けたはずだ。


 「あ、そうそう。今日招待したけど来てくれなかった先生は殺したよ。残念だなあ、見たかったなあ大人の奮闘。まあいっか、死体は駐輪場の物置の裏にあるよ。是非 か く に ん してみてね。じゃあ今度こそバイバイ~」


ぞっとした。そして、そんな恐怖はこれから起こることの序の口に過ぎないのは誰も想像だにしないのだ。



 

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