第75話 ゲームの始まり

 「おい、あれって棺桶だよな。」

 「あれは棺桶やな。」


 地下に降りた120名の小さな戦士たちはざわついた。


 しかし、逃げることは許されない。

 幼児世界大戦を経験した戦士園児たちには何というか、肝が据わっていた。


 これからAI松浦明石市長死の支配者オーバーロードの中に取り込まれることはみんな薄々感じていた。

 

 令和5年の理化学研究所の国産の量子コンピュータの一部実用化によってブレイクスルーが起きる。


 5年前の令和10年にはAI明石市長とAI市民会議が実現し、1秒間に10万回の明石市議会が行われることとなった。


 幼児教育にも量子コンピュータとBMIブレインマシンインターフェイスが導入されることとなりこのゲームが開発され、3年前から明石市では特区として実際に幼稚舎で採用されている。

 まだまだ改善の余地もあり、3年前の初代園児の中には怖い内容から泣き出してしまうような場面も見られた。

 そのためか、陰ではAI松浦明石市長の教育プログラムは死の支配者オーバーロードと揶揄される場面もあった。



 さあ、デスゲーム教育要領の、始まりだ。

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