光
@LIAR27
第1話
小説
言葉は夜に包まれ、なかったというより必要なかった
人間に生まれたのだから言葉が何よりも使うべき物だと思っていたのだが言葉という物を使わずして分かり合えてしまった
少年は不思議と年齢は一緒と感じていたが実際の所は不明だった、だがそんなことも一瞬しか気にならなかった
私は気がつくと外にいた、お城の人たちも皆が驚き泣いている、そこにはお父さんもお母さんもいた
とうの昔に両親が亡くなったというのは私を驚かしたりでは無く、人間として強くするための嘘だったんだとそこで解った
不思議な事に病気は彼に会った日からすっかり治っていた
春の外を1人ではないが好きな時出る事ができた、でも外に出てしばらくすると楽しかったのは初めだけで秋がきて外に行く理由もなくなってきていた
それは外で戦争しているのはわかっていた事で戦場からは大分離れているので安心はあったのだが執事から聞く戦争の話などで街の人の苦しみが数知れずそんな家族を失った人に会って気楽な私を見られる事が恥ずかしく思ったからだ
戦争を終わらせる事はできないのかなと無力ながらも考えていた
それでも私は生きるのが楽しくなっていた。
毎日夜になると気難しい勉強もピアノも戦争が起きてる世の中も、いくら嫌な事があってもその時は忘れることができた、できたのは彼が決まった条件が1つ合えば必ずお城に会いに来てくれるからだ
彼に会うと心が休まり嫌な事に傷をつけられた心のささくれや、ありとあらゆる傷を癒してくれる
彼は翼はない者のどこから来るのかもわからないが畏怖する事を忘れていた私の前の窓辺に優しく降り立つ
時間が止まればいい。そんな幼稚な事を考えてしまうこともあり後日考え、ひとりでに顔を赤くする日もあった
だが満月の前日にしか逢えないがその為に毎日頑張れることもあり早く逢いたいと思い、思ってしまった時は手につかないこともしばしあった
私も18歳になった。誕生日で私は城を出て行こうと決断する
その誕生日で父親が決めた結婚相手と対面した
私はその瞬間血の気が引く様な体験を病気以来だか感じ涙が溢れてきた
気持ちはいつも水分で一定を越えると溢れる。溢れると表現されるという事は気持ちなどは水分であるべきなのだと持論を自分の中で展開していた
結婚相手は顔も背もお父さんよりも大きく勇ましさがあった
いつも会う彼とは違った雰囲気で好きではなかった、勇ましさより優しさが滲み出る愛らしい顔立ちの男の人が彼のせいで好きになっていた
その次の夜満月の前日だった
彼はいつも通り優しい声で話しかけてくれた
なのに私は許嫁が彼に申し訳なくて上手く話せずいると彼は察していていつもより早くどこかへ消えてしまった
そこの場所にはその夜にはなかったとも思うのだが朝になると手紙が置いてあった、きらびやかな鉱物が散りばめられた青の便箋だった
読んでいて不安な気持ちしかなかった
「 貴女に逢えてよかった。僕の毎日も貴女と思っている事と同じ様に煌びやかに光る毎日を過ごせてよかった。次の満月の夜、大事な話があるんだ、いつもの時間に裏の門に来て」
本で読んだことがある、別れる前にこういう事を話している様な事が見受けられたので不安でしかたかった
許嫁とは20歳に結婚式をあげる事になっている
それまでの期間彼とは居れると思い、一緒に駆け落ちすればそれ以上居れるとも思っていたのに
そして毎日が許嫁と一度は顔をあわせる日々が続き満月の前日に彼は来ないので今回ばかりは本当に満月の夜なんだろうなといつもと違う周期に彼に会うと思うと少し調子が狂った
彼は来た、そこで私が告げられたものは彼が戦争に行く知らせだった
光 @LIAR27
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