【大雨特別警報発令72時間前】
話は、7月3日のことであった。
この日の予報は曇りだが、時おり日はさしていた。
前日の大雨により浅川の水位は
その他の浅川にかかる小さい橋も水浸しで通行止めになっている箇所があった。
そのため、
この日から向こう1週間は、大気の状態がより不安定になることに加えて台風から変わった温帯低気圧が日本海にいすわるために、警報級の大雨が数日つづくと言う予報が気象庁から発表された。
もしかしたら…
大規模な土砂災害が発生するかもしれない…
人々の心は、より強い不安にさいなまされた。
時は、午後1時過ぎであった。
テーブルの上には、離婚届が置かれていた。
健一郎と
理由は、ふたりは最初から結婚する意志がなかった…であった。
健一郎は、
だから、
かおるが
しかし、
なんで健一郎くんと
せっかくむすばれたご縁なのに、もったいない…
かおるは、口をへの字に曲げている
「あの…今回のリコンは…
「残念ね…でも…よく考えてみたら、健一郎さんと
「それで、
「今朝早く、
「そうだったのか…」
「せっかく
かおるは、ものすごくつらい表情で
さて、その頃であった。
ところ変わって、浅川沿いにある大型病院にて…
そのために、脳の検査を受けていた。
午後3時過ぎに検査が終わった。
医師から検査結果を告げられた
またところ変わって、JR今治駅の前にあるバス乗り場にて…
健一郎は、ボストンバッグひとつを持って旅に出ることになった。
行き先は、言うまでもなく陸上自衛隊の松山駐屯地である。
健一郎は、今の今まで
自分自身が甘ったれた性格であることに気がついたので、陸上自衛隊に入隊する…
バス乗り場には、ボストンバッグひとつを持っている健一郎と
健一郎は、力強い声で従業員さんたちに
それから数分後であった。
松山市駅行きの特急バスが乗り場に到着した。
ドアがひらいたあと、健一郎はボストンバッグひとつを持ってバスに乗り込んだ。
特急バスは、定刻通りに乗り場から出発した。
従業員さんたちは、拍手で健一郎を送った。
バスがロータリーを回ったあと、従業員さんたちは『ザマーミロバカヤロー!!』『
従業員さんたちのやじは、バスが見えなくなったあとも響いた。
ヤジられた健一郎は、自分が甘ったれた性格であったことに気がついたと思うが、
ほんとうは…
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