Ryugagotoku
「ヤメロ!」
と滔々と自慢を続けるインド人に叫ぶ彼は、家族はコソボ系のイギリス人、静かにそれを笑っているのはわたしと日本アニメ・マンガ好きのスペイン人、物理専攻の寡黙な彼は頑なに首を横に振るか縦に振るかして意志をつたえていたのを、メキシコ人と一緒に料理の話なんかし出すと急に跳ねるようなあのスペイン語が口から流れ出ていて、イタリア語選択のブルガリア人はその語彙をなんとなく理解して。
一方交換留学生のフランス人たちはごめんね今日は疲れたのと言ってフランス語で会話しているのを、例のインド人は I can understand, I can understand, oui oui, と無限にフランス語わかるぞアピールを繰り返し、高校をイギリスで出ているドイツ人もやはりフランス語がわかるので、フイとそちらの会話に混ざったりもする。ところでなんでヤメロなの? と尋ねるとRyugagotokuで主人公がいつも言ってる、というのを、gotoku=如くのtoにアクセントが置かれているせいでうまく伝わらずに聞き返す。龍が如く、ね。少しずつ言語の切れ端を食べあっている感覚になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます