倫敦日記
永里茜
出発
2年ぶりのヨーロッパ。いくらか旅行してきたけれど、1人で出国するのは初めてだ。
見送りに来ようとした友人、
「え、6:50にはチェックインなんだけども大丈夫?」
「…じゃあ家から空を見上げてるわ」
毎日予定を詰めて遊びまわった結果荷詰め終わらず、しかも漫画なんか読みながらやっていたから当たり前のようにギリギリまでかかった。預け入れのキャリー2つに手荷物2つ、どこに何が入っているんだか全く定かでない。兵士のようにリュックサックを前後に提げてのしのし歩く。出発直前になって当人よりピリピリしていた石橋叩いて叩き割る派所属母親は、私が猪突猛進派なことを断罪し続けていたけれど、すなわちキャリーケースの鍵を仕舞ったパスケースをサクッと忘れて出かけようとしていたことに気づいて、色々諦めて笑いが止まらないようだった。それが私。あめ、あめ持っていきなさい、と飛行機の離陸着陸時の上がったり下がったりする気圧のためのアイテムを渡してくる、5個も6個も渡してくる。
リュックサックふたつをいかにすれば良いか解らず、窓際に入るのにおろおろした上に出入りで通路側のおじさんの足を思い切り踏んづけてしまった。これから12時間お隣さんをやるというのに。
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