◇俺、おしゃれカフェへ行く

――大学

「魔女ねぇ……」


学食からの帰り、俺は我が大学の都市伝説、魔女についてぼやっと考えていた。



確かに食堂で見かけた娘は、いかにもな格好、全身黒い服だった、が……、ファストファッションの店で見たことのある服だった気もしてくる。


そうでなくても、なんでも有りの現代だ、秋葉原に行ってからものを言え!ってやつだ。もう一人の西部劇スタイルおねえさんも含め、コスプレしているのかもしれない。きっとそうだ。


「あ、そうだ、明日、空いてる?」

「あぁ、空いてるよ」

「駅前のカフェ行くか?」

「あのおしゃれなカフェ……か、この前、話していたとこ?」

そうそう、と仲間がうなずく。


「あそこで働いている岬くんが、お前に会いたいって言ってたし」

「え?何で?」

「知らね」


あまりおしゃれなカフェは行ったことが無いが、まぁ、明日、ドラマの再放送を観ようとしていたぐらいヒマだったしな……うん、行ってみるか。


――翌日

駅前で待ち合わせ……カフェでの集合にしなかったのは、一人で入店となると緊張するからだ。


「おーい!」

仲間がやって来た。

おしゃれなカフェはすぐ側だ。


……。


カフェで一体、何が起こったのか?


……特に何も起きていない。


仲間の友人……というか、知人の岬くんと出会っただけだ。


だけだ。

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