不器用な義姉と不真面目な義弟と
紫煙
プロローグ
『なんであなたはお姉ちゃんみたいにできないの!?』
『あなたと同じころにはお姉ちゃんは........』
くだらない話だ。
人は人それぞれだし、それこそ十人十色なんて言葉があるように年や環境がちょっと似てるぐらいで全く同じはない。
実際同じ風といっても、接し方やその年齢での休日の過ごし方、好みなどは違うのだから。
だから例え子供が複数人いて、先のこと同じようにしたいと思っても同じ育て方がその子を生むわけでもないのだ。
長々と社会の不満を言うが、
つまるところ俺には義姉がいる。
年は四歳離れたそんな義姉が。
姉であって義姉なのは、俺の母親が父親と大恋愛の末に結婚しその時すでに、父には子供が一人、つまり義姉が一人いたようだ。
そんな大恋愛のせいか母の父への思いは強く、嫉妬なのか崇拝なのか父に呆れられたくないのかやたら義姉と比べられ続けてきた。
私生活から、学校での態度に友達付き合いまで。
でも、10歳ぐらいの時からそういわれて何が言い返せるだろうか。
だからどんな周囲からの言葉も聞き流した。
ーーーー
ーーー
ーー
まぁ一つ言えることがあれば、
人の気配のない大量の下駄箱のあるまさに学校という感じの玄関に仁王立ちする一人の人物。
「成瀬! 今何時だと思ってるんだ!」
「13時っすね」
「おまえなぁ....」
当然曲がらずに育つわけはないってことだ。
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